シネスイッチ銀座にて鑑賞
「忘れもの」なんていう
可愛らしいタイトルのものではありませんでした
年の頃は15歳くらいで、私の息子たちと年齢が重なったせいでしょうか
冒頭から辛く、泣きそうになりました
哀しくて、哀しくて、しょうがない
戦争が終わった
ドイツ人に対する怒りは止まることを知りません
ナチスの残兵は捕虜となり
自らの軍が埋めた200万個以上の地雷を
砂浜から掘り出す作業を与えられます
監督するのはデンマーク軍のラスムスン軍曹
ナチなど爆死しようが、餓死しようがかまわない
デンマーク人はそれ以上の苦しみを受けてきたのです
だけれど、捕虜となったドイツ兵は子供ばかり
飢え、ついには家畜のエサを盗み食中毒
作業に支障をきたし爆死する者もあらわれます
それでも、地雷を撤去し終えたら祖国に戻り
ドイツ復興のために頑張るという
そんな彼らに、ラスムスン軍曹の態度にも
少しづつ変化が現れます
このラスムスン軍曹の背中の演技が素晴らしい
表情を見せなくとも、その心情が伝わってくるのです
しかし、戦争の後遺症は大きい
そう簡単に地雷除去が上手くいくものではありませんでした
この作品の凄いところのひとつは
デンマークとドイツの合作だということです
両国の立場から、戦争の深い傷跡を描いているのです
戦争とは、いかに無意味な行為なのか
そして、負の遺産をすべて背負うのは
若い人たちなのだと、改めて教えられます
見事な反戦映画
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【解説】ウィキペディアより