目撃(1997)




エド・ハリス、スコット・グレン
デニス・ヘイスバート、E・G・マーシャル
見よ、この主演陣
なんという、オジサマ萌えな(笑)

特にキュートなのが、エド・ハリス
「独り暮らしだから」とさりげなく3回言うのは
女性に対するアプローチとしては口説くもなく
相手にも気を使わせない上級者テクニック
さすがオジサマ

「人生の特等席」のでもそうでしたが
疎遠になってしまった娘との確執を解く
それがこの作品のテーマであるような気がします

主人公は伝説の泥棒、ある夜盗みに入った著名人の家
下調べには余念がない、家の者は不在のはず
なのにそこで変質的な暴力現場と
それに関わる殺人を目撃してしまう

そのことで自分だけならともかく
娘まで命を狙われてしまうのです

イーストウッドには5人との女性の間に
7人の子どもがいるということ
とはいえ、多くの主演作に監督業
製作者としても映画に関わっていれば
ワーカーホリック同然

私生活では奥さまとも、お子さんとも
疎遠になってしまうのも当然でしょう

でも仕事だけをしていれば満足だった歳月を経て
ある年齢になったときに気が付く
本当は愛していたんだと
愛情表現を知らなかっただけ

だけど、その時には子どもは成長し
仕事に忙しく自分の昔の時と同じように
家族への思いやりを持つ余裕などないのです

いくら我が子とはいえ、自宅に忍び込み
冷蔵庫の中身までチェックするのはストーカー並ですが(笑)
子どもの健康や食生活を一番心配するのは
やはり万国共通の親心なんですね

年頃の娘がいて、その関係にプチ悩んでいるお父様に
見てほしいようなサスペンス

ワンランク上のオジサマを目指して欲しいと思います



【解説】allcinemaより
大統領の犯罪を目撃した男が、暗殺者に命を狙われながらも真実を明かそうと孤独な闘いを繰り広げる、クリント・イーストウッド監督・製作・主演の作品。
 プロの泥棒ルーサーは、次のターゲットをヴァージニア州の高級住宅地に居を構える大統領の後援者サリバン邸へ狙いを定め、一家の旅行中、サリバン夫人の寝室にある金庫の中身を盗み取ろうと忍び込む。だが、そのさなか、サリバン夫人が大統領リッチモンドを連れて帰宅し、口論の末に夫人がナイフで大統領に怪我を負わせた直後、シークレット・サービスが夫人を射殺するところを目撃してしまうのだった。そして彼らが事件の揉み消しを図る中、ルーサーは証拠となるナイフを持って逃走する。やがて、事件の真実を白日の下に晒そうと決意するルーサー。しかし、これを機に身の危険が迫り、窮地に立たされてしまう…。