羊たちの沈黙(1990)




サイコサスペンスの最高峰
アカデミー賞の主要5部門受賞という
快挙も成し遂げていますね

バッファロー・ビルのモデルは
墓場から掘り出した死体の皮膚で
アクセサリーや食器
ベストなどを作ったエド・ゲインと

もうひとりは、ハンサムで頭脳明晰
30人以上の女性を殺害したと言われるテッド・バンディ
殺害方法や、殺害後の経緯は
ブログではとても書けません

一方のレクター博士のモデルは
ジェフリー・ライオネル・ダーマーと
アルバート・ハミルトン・フィッシュということ
こちらもブログに書けないような残虐な行為のあと
その人肉を食べます

映画の中での、一番のお気に入りサイコは
この作品のアンソニー・ホプキンスも良かったですね
ちょっと超人的すぎではありますが(笑)
IQが高そうな雰囲気はシリアルキラーっぽい



バッファロー・ビル逮捕のため、FBIは訓練生のクラリス
彼の精神科医であるレクター博士のもとに捜査に向かわせます

単純に、若くて賢くて可愛い女の子なら
何かを聞き出せるかも知れない
ダメ元だったのかもしれません

しかしレクター博士クラリスを気に入ります
彼はきっと常識に当てはまった考えしかできない
馬鹿な人間が大嫌いなのです

クラリスは経験不足で未熟だけれど
聡明で勘がいい、質疑応答にも機転がきく
話し相手になる女

レクターのような嗜好の持ち主にしてみたら
食べたら美味しそうに見えたのかも知れない
ひさびさの興奮

クラリスに会うのが
駆け引きが楽しみになってくる

顔の皮をかぶっての脱走のシーンはいいですね
レクターの趣味と実益を兼ねているように思えます





驚いたのは、レクターの登場時間が
118分の上映時間のうち、たった11分しかないということ
なのにこの強烈な印象の強さは
さすがとしか言いようがない

ただ、この作品を残念にしているのが
バッファロー・ビルの描かれ方
なんなんだ、このチンケな変態は!
ここだけB級ホラー風なのが
悔やまれてなりません

ということで、惜しくも
私のお気に入りにはなりませんでした

サイコサスペンスとしては
間違いなく奇跡の傑作でしょう



【解説】allcinemaより
女性を殺害しその皮を剥ぐという猟奇事件が続発。捜査に行きづまったFBIは、元精神科医の殺人鬼ハンニバル・レクターに示唆を受けようとする。訓練生ながらその任に選ばれたクラリスは獄中のレクターに接触するが……。前作『レッド・ドラゴン』(映画化名「刑事グラハム/凍りついた欲望」)に初登場し鮮烈な印象を残した狂気の天才レクターを再度フィーチャーした、トマス・ハリスの同名ベストセラーを完全映画化したミステリー。卓越した原作に気押される事なく、そのサスペンスやムードを見事にフィルムに転化したJ・デミの演出も評価されるべきだが、やはり若き女性FBIに扮したJ・フォスターとレクター役A・ホプキンスの、他を圧する存在感なしに本作の成功は考えられない。本筋の皮剥ぎ事件がかすんでしまうほどの、二人の会話シーンのテンションの高さには目を見張るものがある。この種のスリラーとしては珍しくアカデミー賞の作品・監督・主演女優・主演男優賞といった主要部門を独占した。