熱戦が続く平昌オリンピック
フランスのペアに危機的ハプニング
本人たちも、こんなことで話題にはなりたくなかったと思いますが(笑)
フリーではプレッシャーに負けない素晴らしい演技を披露してくれました
銀メダル獲得おめでとうございます
平昌五輪記念、勝手に韓国映画シリーズ第6弾は
「チェイサー」
簡単にいえば鬼ごっこ
普段あまり見ることのない韓国映画なので
評価の高いものを選んで見ているのですが
バッドエンドで後味の悪い作品ばかりですね(笑)
この作品もそうでした
ストーリーのベースとなっているのは、2003年9月から2004年7月にかけて
主に富裕層の高齢者や風俗嬢の合計20人が殺害された
(本人は、30人以上を手に掛けたと自供)
脚本も半分以上は実際の事件を反映しているそうです
そのせいか生々しいシーンが多く、救いもありません
何も残らないし何の救いもない、見事な陰鬱映画になっています
それでも見入ってしまうのは、やはり巧みな構成と
俳優たちのリアルな演技でしょう
特に殺人犯のサイコ野郎と、子役の女の子が強烈な印象を残してくれました
病気で渋るミンジ(ソ・ヨンヒ)を無理に仕事に行かせた
元機動捜査隊員で、現在ではデリヘルを経営している
ジュンホ(キム・ユンソク)
そのミンジと連絡が途絶えてしまいます
過去にも同じ”4885”のつく番号の携帯番号に呼び出された
”嬢”が帰ってこなくなっていました
最初は金を持って”嬢”が逃げたと思っていたジュンホ
その疑いは”4885”に売られたかも知れないになり
ジュンホはミンジを探しに行きます
開始30分でまさかのクライマックス
”嬢”の誘拐犯であるヨンミン(ハ・ジョンウ)はジュンホに殴り倒され
警察ではあっけなく「殺しました」と自白するのです
ノミと金槌で殺し、遺体は吊るしてアキレス腱を切り血を抜くのだと
そうしたら軽くなるのでバラバラにして埋めるのだと
無表情に語るのです
でも場所はわからないという、山に遺体遺棄現場を探しに行く警察
ジュンホは再びヨンミンを殴り倒し
遺体を埋めたという場所を聞き出します
しかしその暴力が原因で、検察によりヨンミンは釈放されてしまうのです
警察が無能過ぎて、間違った方向に捜査する不毛な展開には終始イライラ
韓国の警察事情がどのようなものかは知りませんが
権威主義である検察、警察、市長への皮肉が
いたるところに散りばめられいて
殺人事件よりも、市長への糞投げテロを最優先するような体制には
批判が込められています
「これは血か?」「キムチの汁です」のくだりは面白かったですが(笑)
女性をモノのように扱っていたいたのは、ジュンホもヨンミンと同類
それでもジュンホがあそこまでミンジを助けようとしたのは
危険だと知りながら自分が客のもとに行かせたという
後ろめたさがあったのでしょう
そして気が強いけれど聡明な、ミンジの娘との出会い
父親はリオデジャネイロで働いているという
それはたぶん事実でないと少女は知ってるのだと思います
嘘と真実を見分けることができる賢い子
ジュンホのこともクソでカスで最低な人間だと見抜かれています
自分の稚拙さが恥ずかしくなる瞬間
何があっても、母親を助けなければいけないと思う瞬間
しかしかすかな希望を見せたあと
私たちはさらなる絶望へ堕とされます
結局、釈放された殺人犯により殺されてしまう
たばこ屋のオバちゃんと、そこに逃げ込んだミンジ
こんな不運があっていいのでしょうか
ミジンが最後にジュンホに泣きながらかけた留守電
そこに入っていたメッセージは「助けて」ではなく「ごめんなさい」でした
「もう怖くて無理だから風俗を辞めさせてください」
ミジンにとっては生きるのも地獄、死ぬのも地獄だったと突きつけられる
だけれど今まで娘のために頑張って生きてきたミンジ
残された男と”嬢”の娘はこれからどうなるのか
少女は殺人鬼同様、ジュンホのことも一生許せないでしょう
そんな少女にジュンホは不愛想なふりをしたまま
「あしながおじさん」になるのか
救いのない結末に、少しでも救いのある”その後”を想像してしまいました
成人指定という条件にもかかわらず、国民的大ヒットを飛ばしたという
サイコサスペンスの秀作
面白さは折り紙付きですが、韓国映画は続けて見ると
確実に気が滅入るということもわかりました(笑)
【解説】allcinemaより
デビュー作にして韓国の映画賞を席巻し、すぐさまハリウッドでのリメイクも決定した驚異の新人ナ・ホンジン監督による衝撃のクライム・サスペンス。風俗店を経営する元刑事と連続猟奇殺人犯との緊迫の攻防を、巧妙な脚本とパワフルかつスピーディな演出でスリリングに描き出す。主演は「ヨコヅナ・マドンナ」のキム・ユンソクと「絶対の愛」のハ・ジョンウ、共演に「連理の枝」のソ・ヨンヒ。
デリヘルを経営している元刑事のジュンホは、店の女の子たちが相次いで失踪する事態に見舞われていた。やがて最後に会ったと思われる客の電話番号が同じ事に気づくジュンホ。そして、その番号は直前に送り出したデリヘル嬢ミジンの客とも一致していた。ほどなくミジンとの連絡が取れなくなり、心配したジュンホはミジンの行方を追う。すると、通りで不審な男と遭遇する。そして、男が問題の電話番号の持ち主であることを突き止めたジュンホは、格闘の末に男を捕縛、2人はそのまま駆けつけた警官に連行されていくのだが…。