ペイルライダー(1985)




「見よ、青白い馬が出てきた。
 そしてそれに乗っている者の名は『死』と言う。
 それには黄泉が従っていた」

ペイルライダーというのは
ヨハネの黙示録の四騎士の第四の騎士を意味しているそうです。

過去にいちど見ていますが、見直してみたらとてもいい。
許されざる者」にも負けないくらい。
「シェーン」「シャイアン」「ウエスタン」・・
西部劇の名作たちへのオマージュを
うまくイーストウッド色に染めていると思います。
西部劇ファンのための西部劇。

イーストウッド監督という人は、年齢や外見に関係なく
どうしたらカッコよく見えるのかということを
よく知っているのだと思います。
ガンファイトは溜息もの。

彼のカメラは本当に痺れるような快感があります。

金脈を掘り当てようとする人々の集落にやってきた
流れ者の牧師。
そして彼を始末するために町の実力者に雇われた
悪徳保安官ストックバーン。

牧師の背中にある銃弾の痕はストックバーンにつけられたものでしょう。
死んで当然の6つの穴。
しかし、ふたりの因縁は一切語られません。





悪役ストックバーンもまた渋いんですよ。笑
決して多くは語らない。
宿敵同士が目と目だけで語るのです。

何気に好い人で出ているのも嬉しいところ。笑

イーストウッドが渋くてカッコよくて
なんといっても私好みの西部劇。

お気に入りで。



【解説】allcinemaより
鉱山主に牛耳られているカリフォルニアのある町。そこに、鉱山主に抵抗する一家があった。顔役の圧力が増大する中、この町に一人の男が現れる。プリーチャーと呼ばれたその男は、一家を助けて、顔役の支配から町を解放しようとするが……。C・イーストウッドが三役をこなして、往年の西部劇を復活させたような作品で、主人公の設定などは自作の「荒野のストレンジャー」のリメイクに似たニュアンスもある。
 カリフォルニアのカーボン峡谷。ここも他の峡谷と同様に、鉱山会社を経営するラフッド一家によって乗っ取られようとしていた。そんな状況下、この村に住む少女ミーガンと母のサラ、そして彼女の婚約者ハルは、ラフッド社の嫌がらせを受けていたのだった。だがある時、救世主のごとく一人の流れ者が現われる。そして、彼が次に姿を現わした時には牧師の装いだったことから、プリーチャーと呼ばれることに。一方、ラフッド社は決着をつけようと保安官たちを使って攻勢に出る。こうして、町中でプリーチャーと保安官たちが相まみえ、激しい銃撃戦が始まるのだが…。