17歳でマフィアを訴え、彼らの犯罪を暴き出した
実在の少女、リタ・アトリアをモデルにしたクライム・ドラマ。
彼女は母親がひがむほど、お姫さまのように
父親からも兄からも溺愛されていたのでしょう。
誰よりも優しく力強く周囲からも尊敬されているパパ。
そのパパが目の前で殺されてしまいます。
犯人はマフィアのボスである叔父ドン・サルヴォ。
兄と復讐を誓うリタでしたが、兄までも叔父に殺されてしまうのです。
リタはマフィアの悪事を克明に書き留めた日記を
パレルモの判事に持ち込むことにしました。
日本人の感覚で見るとヒロインのリタが
外見が17歳よりかなり落ち着いて見えてしまい
か弱い少女風ではないため同情がしにくかったですね。
顔も服装も体系もしっかりしていて、大人にしか見えない。
しかし性格は我儘で無鉄砲。
ティーンの反抗期そのものを描いています。
裁判の最中でさえ冷静さに欠けキレてしまう場面も。
相手はマフィア、一枚も二枚も、いえ何百枚も上手なのです。
幼い心で対抗できるはずがない。
絶望の中、リタは裁判で必ず勝てる方法を見出します。
ヒロインの難癖のある性格のせいで
なかなかストリーに感情移入できなかったのですが。
彼女の母親の存在がこの作品に重厚さを与えていました。
シチリアで生きていくということを理解していない娘・・・
母親にとって彼女のとった行動は正義ではない。
暴走なのです。
破壊なのです。
こんな子産まなければよかった。
だけれど本当は愛している・・
この作品を残念にしているのは
やはりヒロインに華がなかったことでしょう。
映画の魅力は主演女優の魅力でもあるといって
過言ではないですものね。
【内容】「キネマ旬報社」データベースより