ファッションが教えてくれること(2009)




「ファッションが教えてくれること、それは人生に欠かせないもの。
 私を輝かせてくれるもの」



プラダを着た悪魔」のモデルともなったヴォーグ誌の編集長アナ・ウィンター。
邦題は内容と関係なく、上記の彼女の名言を引用したものだと思います。
原題の「The September Issue」は「9月号」という意味。

840ページ、重量5ポンド(約2キロ)、これまで出版された雑誌の中では
最大のものとなった「ヴォーグ」2007年9月号の締め切り5ヶ月前から
完成までを密着したドキュメンタリー。

アナを中心に、アナの右腕である名編集者
グレース・コディントンの語り口で描かれていきます。

アナは雑誌編集者の父、ハーバード大学教授の母との裕福な家庭に生れました。
精神科医と結婚し2人の子供に恵まれますが、仕事優先の生活で離婚。
撮影時は56歳。

いやあ、カッコイイですなあ。
若い頃はスーパーモデル並みの美人でしたが
今は今で大人の女性の魅力に溢れています。
ハンサムウーマンという言葉でなんか褒め足りないほど。

実際の彼女はサンドラ・ブロック
ミシェル・ファイファーが演じたらぴったりそうな女性。
ケイト・ハドソンにも少し似ていますね。

仕事ぶりはメリル・ストリープが演じた映画同様でした。
「使えない」「だめ」「保留」「調整が必要」と
一瞬で決断を下します、1秒もかからない。

時間もお金も労力もかけた作品が一瞬でボツ。
でもアナは言い訳も他人の意見も一切聞かない。
自分の決断がすべて。

アナは次の流行を誰よりも早く察知し
ファッション界の人々が求める新しい刺激を満足させる能力が
誰よりあるのでしょう。
そしてそれを外すことがない。

でも私生活は飾り気のないシンプルなイメージでした。
娘を愛し、スタバのコーヒーを飲み、テニスを上達したいという。
仕事では常に戦闘態勢の彼女
でもオフはやはり普通の母親なのでしょう。

セレブで、美人で、頭が良くて、キャリアウーマン
こんなカッコイイ「悪魔」ならなってみたい。(笑)

そして、どんな一流の仕事をする人でも
たくさんの対立や挫折を乗り越えて結果を出しているんですね。
ファッションが好きな方はもちろんのこと
働く大人の女性が鑑賞するのにピッタリな作品だと思います。



【解説】allcinemaより
プラダを着た悪魔」のモデルと言われるファッション業界のカリスマ的女性編集長、アナ・ウィンターの実像と成功の秘密に迫るドキュメンタリー。厳しく妥協のない仕事ぶりの一方で、仕事と真摯に向き合い働くことに喜びを見出していく姿を映し出していく。