股旅三人やくざ(1965)





「どじょっこふなっこ」の童謡で
秋、冬、春の季節をわけたオムニバスもの。

1話目は自分を襲った男を殺してしまった仲代達也。
男は賞金目当てて、遊郭で働く女の身請け金が欲しかったのです。
そして逃げようとした遊女の見張り役を頼まれてしまいます。

2話目は生き別れた娘に逢いに行く老やくざ志村喬
ともに行動することになった若いやくざの松方弘樹
老やくざは娘に再会したとき、父であることを秘密にしていましたが
腕に掘った母親の名前の入れ墨を見られてしまいます。

そういえば中学生くらいのとき
腕にカッターナイフで好きな人の名前を
掘っていた人っていませんでした?笑
そういうことって昔からしていたんですね。

一番良かったのは3話目の中村錦之助さん。
通りかかった村で村人から悪役人を退治してほしいと頼まれます。
腹いっぱいのごちそうに若い娘まで与えられます。
しかし実はお調子者なだけで、ダメダメの弱すぎる任侠。
なんとか村から逃げようとします。
狸取りの伏線はよく効いていました。

どの季節でもヒロインがちょっと残念。
命をかけてもいいと思うくらいの魅力が
もう少し見えると良かったと思います。

チョイ悪で、軽く楽しく、人情ある時代劇。
昔の人ははみ出し者にも
やさしいところがあったのでしょう。



【解説】allcinemaより
仲代達矢松方弘樹中村錦之助の三大スターを迎えて製作されたオムニバス形式の時代劇。脚本は第一話を「赤い手裏剣」の野上竜雄、第二話を「顔役」の笠原和夫、第三話を「色ごと師春団治」の中島貞夫が担当し、全三話を「いれずみ判官」の沢島忠がすべて監督している。
 「秋の章」――片目のやくざを斬った千太郎は、金兵衛親分から遊女おいねの見張りを頼まれる。おいねは一度だけ遊んだ伊之助という男が自分と所帯を持ちたがっていることを知り暴れたのだ。だが伊之助は、千太郎が斬った片目のやくざだった…。「冬の章」――父が賭博で身を崩したことからやくざになった源太は、老やくざの文造と茶屋に立ち寄る。死んだ母親を埋葬してきたという店の娘みよに対し、文造は父の親友だと名乗り金を渡そうとするのだが…。「春の章」――渡世人の久太郎は村長の三右衛門に頼まれ、代官所の役人である半兵衛を斬ろうとするが、剣の達人である半兵衛に軽くあしらわれてしまう。村人たちは別の渡世人である仙三に半兵衛殺害を依頼するのだが…。