世界残酷物語(1962)




観る映画のジャンルは選ばないのか?と聞かれたら
選ばないと答えます。

有名な作品ですが、初見です。
ドキュメンタリーということですが。笑
今のように簡単にネットで情報が入るような時代ではなかったのでしょう。
不足な情報はなんと想像力で補っているのです。

動物の首チョンパや丸焼きなどなど
そういう食文化でない人間にとっては
リアルに残酷なシーンが多くありました。

なのに、不謹慎ながら、ところどころ吹き出してしまって。
「ありえない」コメディかと。

日本も登場します。
良い牛肉を作るために牛にビールを無理やり飲ませる。
ここは牛が可哀相な気分に。
でも肉を柔らかくするために、酪農家が集まって
牛の全身を丁寧に叩いてマッサージ。
・・・ありえないよね?

男性のサロン?エステ?では女性がビキニ姿で男性の身体を洗ってあげたり
耳掃除をしてあげたり・・・
当時はこういう場所があったのでしょうか?
そういえば秋葉原で耳かきカフェを見かけたことがあるから
もしかしたらアリなのかな?

食べることは生きること。
それぞれの地域にはそれぞれの食文化があるのです。
そのために植物や動物の命を奪っているのは確かなこと。

もしその特定の生物が絶滅危惧種などで保護しなければならないのであれば
もし疫病などの感染の疑いで危険が伴うのであれば
何かの対策が必要でしょう。
できれば、批判するよりもっと効果的なアプローチが良いと思います。
私たち人間には言葉があるのだから。

でも、そもそも人間は残酷なのでしょうね。
残酷を批判して、残酷な行為をするのですから。

ヤラセ感たっぷりで、怪しくて、くだらない映画。
でもいろいろと考えさせてくれる意義深い作品でもあるでしょう。



【解説】allcinemaより
文字通り、世界中の残酷な風物・風習を集め、まとめたドキュメンタリー。ヤコペッティ監督の名を、世界中に知らしめた作品。76年に「世界残酷物語<総集版>」として正・続の再編集版がリバイバル公開された