列車に乗った男(2002)

 

 
 
ルコント監督は数本しか見ていないけれど
私の感性とは相性がいいと思います、直感で。
ちょっとお年だけれど、男性としてもルコント監督は好きなタイプかも
直感で。笑
 
たまたま薬局で知り合った老人、マヌスキエの家に
やっかいになることになった列車で来た男、ミラン
 
男性が男性に妙に親切にされたならば
ましてや自宅の一室を宿として貸すとなれば
もしかしたらゲイでは?怪しいヤツでは?と不安にもなるはず。
 
しかし違いました。
インテリで、常識の枠から外れることなく
長年真面目に暮らしてきたマヌスキエ

ヤクザで男気にあふれるような雰囲気のミラン
自分の持っていないものを持っている憧れのタイプだったのでしょう。
脱ぎ捨てたミラン上着を着てワイアット・アープのセリフを吐く。
 
一方のミランのほうも、小金持ちで教養のある紳士
マヌスキエの人柄の良さに次第に交換を持って行きます。
最初は鬱陶しいと思っていた彼のお喋りも
実は納得のいく会話へと変化していくのです。
 
全くタイプが違うふたり
マヌスキエもミランも、お互いの心の内を察していきます。
 
自分の家庭を作れなかった孤独なマヌスキエとミランにも
人生の最後に、最高の友情というご褒美があったのです。
死ぬ間際に夢見る、憧れの自分の姿・・
 
彼らの人生は幸せだったのでしょうか。

きっと幸せに死ねた
それは間違いないような気がします。
 

 
【解説】allcinemaより
実直な初老の男とアウトローの中年男、正反対の人生を歩んできた2人が偶然出会い一緒に過ごす3日間の物語。2人の男が互いの境遇を振り返り、夢に見た別の生き方を相手の人生の中に見出し心を通わせていく様を、しみじみと切ないタッチで描いたヒューマン・ドラマ。監督は「髪結いの亭主」「橋の上の娘」のパトリス・ルコント。主演は「ロスト・イン・ラ・マンチャ」のジャン・ロシュフォール、「ゴダールの探偵」のジョニー・アリディ
 シーズン・オフのリゾート地。くたびれた革ジャン姿の中年男ミランが列車から降り立つ。頭痛がひどいのか、顔をしかめドラッグストアへと急ぐ。店でアスピリンを買ったミランは、そこで狭心症の薬を買おうとしていた初老の男マネスキエと知り合う。そして、ひょんなことからマネスキエの自宅に泊めてもらうことになる。マネスキエは定年を迎え、街から出ることもなく、少年に詩の個人教授をするだけの平々凡々な日々を過ごしていた。一方のミランは流浪のアウトロー。そんな対照的な2人の間に、やがて奇妙な友情が芽生えていくのだが…。