パットン大戦車軍団(1970)


 
 
第43回アカデミー賞、作品賞、監督賞、主演男優賞(辞退)など
7部門受賞作品。
 
冒頭のパットン将軍の演説シーンには、とにかく引き込まれます。
「はらわたを刻んで潤滑油にしろ」とか、凄いことばかり言っているのですが
それがまるで、正義であると思わせるような説得力。カリスマ。
 
「臆病者が祖国の勝利のために命を捧げたためしはない
国民は勝者を愛し敗者は容認しない。」
この言葉などは、近頃メディアを騒がせていたスポーツ界での
体罰を思い出しました。
 
頭に中は常に戦略でいっぱい。戦場でしか生きられない男。
それはドイツのロンメル将軍にしても同じなのでしょう。
ふたりは互いに尊敬しあっているようにさえ思えます。
 
「腰抜け野郎はとっとと撃たれて死にやがれ!
隊に戻らないなら、俺が撃ち殺してやる!」
 
パットンは、北アフリカでドイツ戦車軍を撃破し
シチリア、ドイツ領内へも進撃するという成果を上げますが
神経症で入院している兵士を殴打したことから
非難を浴びて左遷されてしまいます。

「なぜ、俺を戦場に出さないんだ!俺の一生は戦いだ!」
 
そして、死体で埋まった戦地を見渡しパットンはつぶやきます。
「これが好きだった。自分の命より」
戦場の中にしか自分の居場所を見つけられない・・・
 
相次ぐ失言で、ついには失脚し、司令部から去っていくパットン。
その後姿はただの寂しい老人でした。
 
言葉のひとつひとつが力強かったですね。
ジョージ・C・スコットがあたかも地にままのような演技。
見事でした。
 

 
【あらすじ】yahoo!映画より
第二次大戦のアフリカ戦線で活躍したアメリカの将軍、ジョージ・パットンを描いた伝記的戦争ドラマ。優れた戦略家であるとともに、数々の奇行の持ち主とされたパットン将軍を、G・C・スコットが演ずる。