ロベレ将軍 (1959)

f:id:burizitto:20200227192903j:plain

原題は「Il Generale Della Rovere」(デラ・ロベール将軍)
1959年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞
演技賞(ハンネス・メッセマー)
国際カトリック映画事務局賞を受賞
ロッセリーニにしては珍しく(笑)
興行的にも成功したそうですが、知名度は低いのではないでしょうか

f:id:burizitto:20200227192917j:plain

第二次大戦末期の1944年ナチ占領下のジェノヴァ
ジョバンニ・ベルトーニ(ヴィットリオ・デ・シーカ)は
グリマルディ大佐と名乗り、ナチスに逮捕された
パルチザンファシズム体制に対して抵抗運動する人々)の釈放をかたに
その家族からお金をだまし取っていました

f:id:burizitto:20200227192933j:plain

ある裕福な嫁姑に話をもちかけたことから
詐欺がばれたベルトーニは、命とスイス行きの旅券と引き換えに
ドイツ軍が誤って射殺してしまったロベレ将軍になりすまし
ミラノの刑務所でパルチザンの指導者ファブリッツォを探し出してほしいと
ナチ司令官のミューラー大佐(ハンネス・メッセマー)から頼まれます

f:id:burizitto:20200227192952j:plain

前半は(監督ではない)デ・シーカ調(笑)
主人公は人が良く口が巧くて、町の皆から好かれているけれど
賭博が好きなせいで金に困り、自分の愛人や困ってる人を騙す哀しい中年男
そこに当時の生活や風俗、人間模様が丁寧に描かれていきます

f:id:burizitto:20200227193009j:plain

後半は一気にロッセリーニ風が吹く
もう一度「無防備都市」(1945)の頃の気持ちを
取り戻そうとしているようにさえ感じます

そこに、精緻(せいち)な仕事をこなすドイツ人と
人生を楽しむ事を優先するイタリア人を対比させ
そんなイタリア人にも
民族の誇りに命を懸ける覚悟があることを語りかけてくる

f:id:burizitto:20200227193033j:plain

最低のクズ男が、だんだんと犠牲に目覚めていく
あたかも本物のロベレ将軍が憑依したかのように

「イタリア万歳」

f:id:burizitto:20160628102132j:plain

こういう映画(ロベレ将軍夫人のような役)に
イングリット・バーグマンは出たかったのだろうな
だけどふたりの間には3人の子どもに恵まれたけれど

やっぱりバーグマンはロッセリーニの作風に合わないし
ロッセリーニもバーグマンのためとなると
こういう影響力のある映画は撮れなかった気がします

f:id:burizitto:20160628102310j:plain

イタリアでは勇敢なパルチザンの抵抗運動を描いたと大絶賛
大きな反響を呼んだということです
一方、劇場へはファシスト(主に学生)が押し寄せ
催涙弾を投げたり、警官隊が出動したりで大混乱を招いたということ

f:id:burizitto:20200227193113j:plain

まさにネオレアリズモ映画の神髄
隠れた傑作だと思います

 


【解説とあらすじ】KINENOTEより
無防備都市」「戦火のかなた」のロベルト・ロッセリーニ監督が数年の沈黙を破って作ったレジスタンスにまつわるドラマ。インドロ・モンタネリの原作をセルジオ・アミディが脚色し、撮影はカルロ・カルリーニが担当。音楽はレンツォ・ロッセリーニ。出演するのは「カジノ・ド・パリ」のヴィットリオ・デ・シーカ、「脱獄十二時間」のハンネス・メッセマー、サンドラ・ミーロ等。製作モリス・エルガス。
第二次大戦末期の1944年。連合軍は南伊を解放し、ナチの支配する北伊に迫っていた。ナチ占領下のジェノヴァ市に、グリマルディ大佐と自称する中年男がいた。本名をジョバンニ・ベルトーニ(ヴィットリオ・デ・シーカ)という彼は、バクチと女に身をもちくずし、ナチ司令部の下士官と結託して、イタリア・パルチザンを釈放してやると称して家族から金をせしめている男だった。その頃、連合軍は北伊のパルチザンと連絡をとるため、イタリア人の将軍ロベレを秘かに南伊に潜入させた。ナチ司令官ミューラー大佐(ハンネス・メッセマー)は、彼をとらえてパルチザン組織の息の根をとめようと計った。ところが、将軍はナチの一分隊により発見され射殺されてしまった。大佐は、ここでニセのロベレ将軍をしたてて、彼をオトリにパルチザン組織を探ることを思いついた。かえだまに選ばれたのはグリマルディだった。ロベレとなったグリマルディはミラノの刑務所に送りこまれた。とらわれていたパルチザン達は、彼をロベレ将軍として尊敬した。ある日、九人の捕虜が刑務所に送られてきた。その中には、ファブリッツォという名の、パルチザン指導者がいるのだが、それが誰かはよくわかっていなかった。ファブリッツォが獄中でロベレと連絡をとるだろうと考えた大佐は、グリマルディに警戒を命じた。バンケリという囚人が暗号を記した紙片をニセのロベレに渡した。大佐は返信を作ってロベレからバンケリにそれを渡させた。が、皮肉にも看守がバンケリの持つ紙片を発見してしまった。こうなってはバンケリを拷問するほかはない。苦しみに耐えかねたバンケリは自殺してしまった。ニセのロベレの心はショックで動揺した。スパイ活動に疑いをもちはじめた彼にも、大佐は拷問を加えた。実際のロベレ将軍の夫人からとどいた手紙も、グリマルディを感動させた。パルチザン達が銃殺される朝がきた。大佐は銃殺をひかえた最後の朝こそ、ファブリッツォがロベレに連絡をとるだろうと考え、グリマルディと捕虜達を同室させた。案の定ファブリッツォはロベレの前に名のりでた。しかし、翌朝グリマルディが選んだのは、口を閉じて、ロベレ将軍として刑場に立つことであった。彼はロベレ将軍として処刑された。