さまよう刀(やいば)(2004)


 
 
いきなりクライマックス。
凄い物語でした・・・
 
きれいごとを言わず、正直な気持ちをレビューするなら
この物語を読むと、自分のなかにも復讐心というものがあることに
気が付かされます。
 
犯罪者をかくまう人間の心理など
いままで理解することなどありませんでしたが、
もし私であっても、復讐を果たそうとする長嶺のことを
警察に通報しなかった和佳子のようにするかもしれないと。
そして私だったら、最後まで長嶺に協力するかも知れません。
もし自分に守るものがなかったらの話ですが。
 
家族を殺されて正気でいれる人間がいるのでしょうか。
しかし、わが子を虐待する親だっているのですから
自分の価値観が万人と同じとは限らないのですよね。
 
最後までグイグイ読ませる作品。
物語としては最高に面白いですが
元気のないときには読まないほうが良いでしょう。
 

 
【あらすじ】ウィキペディアより
会社員・長峰重樹の一人娘・絵摩が死体で発見される。悲しみに暮れる長峰に、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。逡巡の末、電話で言われたアパートへ向かう。留守宅へ上がり込み、部屋を物色すると、複数のビデオテープが見つかる。そこには絵摩が犯人2人に陵辱されている映像が写っていた。偶然帰宅した犯人の一人・伴崎敦也を惨殺した長峰は、虫の息の伴崎からもう一人の犯人・菅野快児の潜伏場所を聞き出し追う。