カラマリ・ユニオン(1985)

 

原題はCalamari Union」(イカ同盟)

アキ・カウリスマキ2作目の長編映画

フランクいう同じ名前の15人の男たちが

ヘルシンキにあるカリオという街から

エイラという理想郷をに向かう巡礼の旅

不条理コメディのカルト的名作と称えられ

真面目に語るような映画ではないのですが(笑)

イカ同盟」ってナニ?ですよね

これは北欧に住む人なら誰でも知ってるという

Kalmarin unioni(カルマル同盟=イカ同盟 ) をもじった言葉で

1397年にデンマークノルウェースウェーデン

3王国間で締結された同盟(物的同君連合)のこと

しかし1520年の「ストックホルムの虐殺」により関係は決裂

スウェーデン王国」と「デンマークノルウェー王国」となりますが

デンマークノルウェー王国」もナポレオン戦争に巻き込まれ

1814年、デンマークノルウェーを失いカルマル同盟は完全に消滅した・・

という歴史に由来しているそうです

それは15人のフランクが、事件に巻き込まれ

ひとりまたひとりと死んでいき、カウントダウンされていくことと

関係があるのかもしれませんが、全くわからない(笑)

しかもカリオからエイラ(大使館やマリーナなどがある高級住宅街)まで

歩いて約1時間程の距離ということ

それをフランクが、バスを購入して突破しようと提案し

融資を受けるため銀行に向かうと、銀行強盗と勘違いされ警察に通報

フランクは捕まってしまいます

すぐに旅費は尽き、フランクたち

野宿をし万引きで食料品を手に入れるようになります

フランクは旅費を稼ぐために飲食店をのっとります

別のフランクは国会議員のキャデラックを盗みますが

(アキが運転手薬でカメオ出演

鍵を下水溝に落としてしまったうえ

相棒のフランクを芝居のふりをして殴り誤って殺してしまいます

ランクは別の車を調達し、死亡したフランクを乗せます

別のフランクはエイラ行きを諦め、ホテルのドアマンになり

(ギターを弾き「Stand By Me」を歌う)

別のフランクはスーツを万引きし、ビジネスマンになりますが自殺

別のフランクは犯罪者と間違われ見知らぬ男に射殺され

別のフランクは車に乗った女に

エイラに自宅がるので、一緒に行こうと声をかけられ車に乗り込むと

女はエイラとは逆方向に方向へ車を走らせたのでした

ランクは美容院に昔の恋人がいるのを見つけ、馴れ馴れしく話しかけると

従業員客に襲われ殺されてしまいます

別のフランクはカフェで知り合った女に説教し女に射殺されます

別のフランクは、富豪の未亡人がローマ旅行の連れを探していことを知り

売り込もうとしますが、未亡人が選んだのは別のフランクでした

ついに3人だけになってしまったフランク(笑)

しかしやっとたどり着いたエイラはすでに開発が進み

彼らの思い描いていた緑豊かな理想郷ではありませんでした

着くのが遅過ぎた・・・と嘆く(笑)

そこでひとりのフランク(芝居で殴って殺したほう)は

エストニア向かうことを言い出し

残ったふたりのフランク(マッティ・ペロンパとカウンセリング男) は

ちっさいボートに乗り込み、漕ぎ出して行ったのでした

最初から最後まで、シュールでクールでスタイリッシュ

でも結局は、理想郷なんて望んでもたどり着けないし

存在しないって話しなのよね(笑)

 

 

【解説】映画.COM

フィンランドアキ・カウリスマキ監督が贈る、クレイジーロードムービー。全員の名前がフランクという15人の男たち。カラマリ・ユニオン(イカ墨同名)のメンバーである彼らは、退屈な街を捨て、街の反対側にあるという理想郷エイラを目指して旅立つ。不思議な男たちの旅を、ロックテイストをちりばめて皮肉たっぷりに描いたこの作品は、カウリスマキ監督の代表作「レニングラードカウボーイズ」シリーズの原点ともいえる。

1985年製作/80分/フィンランド
原題:Calamari Union