特捜部Q 檻の中の女(2013)




guchさん!!
これは面白かったですよ!

デンマーク版「相棒」
むのは紅茶ではなく、濃いコーヒー()


オールスンの原作は未読ですが特捜部Q」の刑事たちには
マクベインの「87分署シリーズ」の刑事たちのよう
ごく普通で、愛着が湧くタイプ
銃ではなく知識と根気さで事件を解決しようとします
90分程度という無駄の無い作りもいいですね


カール・マーク警部補は応援を待たず現場に突入し
部下1人は殉職、1人は不随に、そして自分も重症を負いました
復帰後は過去20年間の未解決事件を書類整理するだけという
「特捜部Q」に配属させられてしまいます
そこにはイスラム系のやはり署で爪はじきにされ
窓際族のアサドが助手としていました

最初は全くやる気のおきなかったカール
しかし5年前自殺と断定された
美人議員ミレーデ失踪事件の調書を整理しているうち
それが自殺ではないと気が付き調査を始めます
そして徐々に真相へと近づいていくのです

鍵を握っているのは脳に障害をもつミレーデの弟ウフェ
アサドは長い時間をかけウフェと親しくなり
そしてある会議でミレーデと一緒だった男にたどり着きます





かなり地味で陰湿いです
しかしスタンダードなミステリー好きが癖になる魅力があります
頑固で無鉄砲で不愛想なカールに対し
穏やかで、署内でただひとりカールに味方するアサドがいい

5年経った今も被害者(失踪者)がまだ生きているというのレアで
監禁して何年もかけてジワジワと苦しめながら殺すのは
簡単に殺すのよりも、残酷で恐ろしい
ミレーデがペンチで自分の歯を抜くのは(歯を磨かないため)
虫歯で痛みに耐えきれなかったからでしょう

やがて犯人がなぜミレーネを逆恨みし、監禁しているのか
その理由明らかになっていきます
彼がイカれてしまいサイコになっ理由も
少しは納得してしまいます





自分が監禁されている理由を知らされたミレーデは
その時、死を覚悟したのではないでしょうか
少女時代の交通事故のシーンの記憶は幻想的
北欧ならでは、雪のシーンが心まで凍りつける

ヒロインは死なない法則があると知っていても
彼女を助けることができるのか
5年も苦しんだのに無残な死が待っているのか
終盤はハラハラしました()

イスラム系が刑事ものの主役級というのも新味で
アメリカのアクション刑事ものにもう飽きた、と
いうような見るのにいいと思います






【解説】allcinemaより

 デンマークの作家J・エーズラ・オールスン原作の『特捜部Q』シリーズを映画化したサスペンスドラマ。原作は本国で2007年に発表されて以来評判を呼び、以降シリーズ化された人気ミステリーシリーズで、本作は第1作目『特捜部Q―檻の中の女―』の映像化作品。未解決事件を扱う窓際部署所属刑事の活躍が、スリルあふれる描写で綴られる。出演は「72時間」のニコライ・リー・コス、「しあわせな孤独」のソニア・リクターら。2015年1月~2月開催の<未体験ゾーンの映画たち2015>にて上映。
 捜査ミスにより部下を殉職させ、自身も重傷を負った経験を持つ殺人課の刑事・カール。新設部署である特捜部Qへ配属されることになったが、そこは未解決事件の残務整理を主な業務とする閑職部署だった。仕事をしていく中で、カールは5年前に起きた女性議員の失踪事件に興味を持つ。議員のミレーデが、船から姿を消した後自殺として処理されていたのだ。助手アサドの力を借りながら、カールは再調査に挑むのだが…。