ピッチ・パーフェクト(2012)




ピッチ・パーフェクトとは「Perfect Pitch」(絶対音感
という言葉をもとにした「音程が完璧」という意味だそうです


若い人が見たらきっと楽しい作品だと思います
下ネタは多いですが、エッチなシーンがないのもセーフ(笑)
そしてこの作品がアメリカのティーンの女の子を中心に
爆発的にヒットしたのは、ただ面白いからなだけでなく
アメリカの学校生活での背景も描かれているからのようです


父親の勧めで行きたくもない大学生活を送るベッカ
たまたまシャワールームで歌っていたところ
女性アカペラ部「ベラーズ」の副リーダーであるクロエに
スカウトされます

この「ベラーズ」歌も踊りも伝統だと、毎年同じ
リーダーのオーブリーはワンマンで
部員の意見は一切聞き入れません
案の定地方大会で敗退

しかし優勝したチームの不正が発覚し
「ベラーズ」にも全国大会に出場するチャンスが巡ってきたのです






音楽が主軸なので、全編にお馴染みの歌が流れていて
ゴキゲンになります

やはり終盤の大会で歌うシーンが一番盛り上がりますが
「リフ=オフ」という、相手が歌う曲の歌詞を抜き出して
他の歌に繋げていくバトルがよかったです
80年代の女性シンガーの曲が迫力いっぱいで歌われ
歌っていいなあと、しみじみ思わせてくれます


そしてもうひとつの主題が
「ブレックファスト・クラブ」(1985)という映画
実はこの作品を知っているかどうかで
この映画の見方は大きく変わります

ここでも韓国人グループが
とても意地悪く描かれているように思えますが
これは決して人種差別的なものではなく

アメリカの学校ではクラスがないので
がり勉がり勉、スポーツマンはスポーツマン
ヲタクはヲタクというカテゴリーでグループになるそうです
それは「スクールカースト」と呼ばれていて
実際そのグループ同士は、一切口も利かないのだそうです





しかしアカペラ部「ベラーズ」は部員不足のため
そんなことは言っていられなかったのです
しかし案の定チームはバラバラ
それを主人公が「ブレックファスト・クラブ」を見て
立て直していこうとするのです

お互いを認め合い、その結果
違う人種の、違う声の音色が重なりあうことで
素晴らしいハーモニーが生まれることになるのです
そのことにアメリカの若者たちは感動したのです

実は「ブレックファスト・クラブ」こそ見ておくべきだと
訴えている作品(笑)

そして歌って、踊って、ちょっと考えさせてくれる
王道の青春ムービーでした



【解説】allcinemaより
 2012年に全米で口コミから人気に火がつき予想を超えるスマッシュ・ヒットとなったアナ・ケンドリック主演の学園音楽コメディ。渋々入った大学で女子アカペラ部にスカウトされたヒロインが、ひとクセもふたクセあるメンバーたちと衝突を繰り返しながらも絆を結び成長していく姿を、過激なギャグを織り交ぜつつ迫力あるアカペラ・パフォーマンスの数々とともに描き出す。共演はレベル・ウィルソンブリタニー・スノウ、ジョン・マイケル・ヒギンズ、エリザベス・バンクス。監督はブロードウェイ・ミュージカルの演出家として活躍し、本作が映画監督デビューとなるジェイソン・ムーア。
 音楽プロデューサーを目指すベッカは、バーデン大教授の父親に説得され、意に反して同大学に入学する。学園生活に何の期待もないベッカは、サークルの勧誘にもまるで興味なし。ところが、シャワー中の鼻歌を聞かれたクロエに強引にスカウトされ、彼女のいるアカペラ部“ベラーズ”に入部することに。ベッカはそこで、自ら“ファット”と名乗るエイミーやエロさ全開のステイシー、レズビアンのシンシアら個性あふれる新入部員と巡り会う。そして部長オーブリーの厳しい指導の下、全国大会出場を目指して練習に励むベッカたちだったが…。