八日目(1996)

 
「最高の、一分間だった」
 この一分間は僕たちの時間だ」
 
 
タイトルである「八日目」は、神が7日間で世界をつくったなら
8日目には何をつくられたのか?ということ
 
ダウン症である主人公、ジョルジュ演じる本人もダウン症であり
演技なのか本来のものなのかわからない姿が実に迫力あります
もしダウン症の人と一緒に行動したとしたら
実際にこういうトラブルもあるのだろうと想像させるのです
 
 
ジョルジュは自分を迎えに来てくれないママに会うために
施設を逃げ出します
そして家族に去られて絶望している、エリートサラリーマン
アリーと出会います
 
話が通じないし、アリーの言うことも聞いてくれないジョルジュ
しかたがないので家に泊め、ジョルジュのママの家を探し
ジョルジュの姉にも会い連れて行くのです
 
 

いわゆるロードムービーで、道中に男の友情が育まれるというものですが
ヨーロッパではあからさまに差別的な態度をされるということがわかります
ダウン症をモンゴリズムと呼び(アジア人(モンゴロイド)がダウン症に見える)
美人のウエイトレスもサングラスを外したとたん、一瞬で態度を変えます
 
ジョルジュもジョルジュで、女性から断られるたびに
「こんなに愛しているのに、なんでなんだ」と
悲しさのあまり床に転げまわり、猛烈に泣き叫ぶのです
 
会ったばかりの女性に「愛している」「結婚しよう」と告白し
勝手に悲しむのには本当に困ったものなのですが
 
後半になって彼には時間の観念がないことがわかります
1秒で相手のことを好きになってしまいますし
4年前に死んでしまった母親についても、歳月が存在しません
そして、愛するものに対して躊躇がないのです
 
そんなジョルジュに振り回されながらも
アニーは次第に笑顔を取り戻します
しかしここまで仲が良くなってしまうと
ホモソーシャルをとうに通り越していますが(笑)
 
 

終盤は車を盗み、遊園地に忍び込み
犯罪軍団になってしまうというやりすぎよう
そしてアニーが家族と和解したのを見届けたジョルジュは
この世から去ってしまいます
 
このラストには釈然としなかったのですが
 
 
「神様は八日目にジョルジュを作った」
アリーの為に、ジョルジュという天使を神様が送ってくれた
と解釈することにしました
 
そして(キリスト教では)世界を、人間を作ったのは神様なのだけれど
結局、子どもはママが産むということなのだと思います
 
 
現実的な部分と、幻想的な部分が
不思議に混ざり合った編集はうまいですね
あと、ふたりの子どもがとても可愛くて癒されます
(監督の子どもなのだそうです)
ラストでみんなでママをたたえる歌を歌うのもよかったです
 
 
この甘い声で歌うメキシコ人が、誰か知っていたら
教えてください(笑)
 
                           ↓この人、この人↓



 
【解説】allcinemaより
会社員アリーは妻と娘に家出され、一人イライラと車を飛ばしていた。が、犬を撥ねてしまい、その飼い主のジョルジュを同乗させることに。ジョルジュはダウン症の青年で、施設から逃げ出し、母親に会いに行くところだった。母親の元に向かう二人。だがたどり着くと、母親は数年前に亡くなっていた。アリーはジョルジュを連れて、施設までの旅に出る……。主演のダニエル・オートゥイユパスカル・デュケンヌは、そろって96年カンヌ映画祭男優賞を受賞した。