ヒッチコックの ファミリー・プロット(1976)

 
ヒッチさんが76歳でメガホンを取った最後の作品
テレビムービーのようなコメディタッチのサスペンスでしたが
こういうユルい作風も私はすきです
 
地上波での吹き替え版は山田康雄さんと小原乃梨子さんということで
これは登場人物にぴったりな声ですし
評判もいいので見てみたいと思いました
今では存在するかどうかわかりませんけど
 
 
インチキ霊媒師であるブランチは富豪の老婦人から
養子に出した妹の子どもを探してほしいと頼まれます
なんと謝礼は1万ドル!
恋人でタクシー運転手のジョージと共に
名前も知らないその男の手掛かりを探します
 
このカップルが詐欺師で甥にばけて
老婦人をだますのかな・・と思ったのですけれど
意外にも真面目に人探しをするのです
養子先を見つけ、エディ(アーサー)という名前を知り、関係者を洗う
 
しかし一方のエディの方は育ての親を殺し
大物を誘拐しては身代金代わりに宝石を奪うという大悪党でした
 
 
ヒッチさんのなかではあまり評判がよくないようですが
山道で車のブレーキがきかなくなってしまったり
ブランチが誘拐され、ジョージがエディの家に忍び込む場面など
ベタなのですが、私は結構ハラハラドキドキしました
ブランチのウザっぽさも、ちょうどいい加減でチャーミング
 
だけどダイヤを見つけるラストは
いくら何でも無理矢理です(笑)
ウィンクでごまかしてもだめです(笑)
 
あのダイヤは警察に届けるのかな?
でも、盗んでも素人が現金にするのは難しいので
やはり素直に持ち主に返すのがいいのでしょう
 

 
【解説】allcinemaより
インチキ霊媒師が巻き込まれた犯罪を、サスペンス豊かに描いたヒッチコックの遺作。インチキ霊媒師のブランチは、富豪の老婦人にとりいって、行方不明の息子を探し出す仕事を得た。ブランチの調査によって、宝石店を営むアーサーが、その息子であることが判明する。だが、アーサーの裏の顔は、営利誘拐を繰り返す犯罪者であった。自分の身辺を探るブランチに、アーサーは次第に危機感を覚えていく……。多くの美男美女を起用してきたヒッチコック作品にしては個性的な面々ばかりが顔を揃えているが、これもアメリカン・ニューシネマの影響か。だとしたらヒッチ先生にとってやはり70年代は住みにくい時代だったのだろう。