わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語(1996)


 
宮沢賢治生誕百年記念作品。
 
先日銀座でお洒落ランチをしたついでに
 
驚いたのは席がほぼ埋め尽くされていたこと。
平日の映画館で、たとえ新作の人気作品でも
こんなに会場が混んでいることに出くわしたことはありません。
 
そしてなんと!大森一樹監督の舞台挨拶がありました。
主演の渡哲也さんや、撮影の木村大作さんの撮影時のエピソードが語られ
会場は笑いでつつまれました。
入場料500円で、これはとってもお得な気分。笑
 
質屋と古着商を営む裕福な家庭の息子として生まれた宮沢賢治
しかし父親と信仰のことで対立し家出し
宗教団体に入信し布教活動のかたわら童話創作をするようになります。
その後農業学校の教諭になった賢治は
芝居や音楽で農業を教えるという授業を行っていましたが
農家の貧しい現実と自分の理想の農業のギャップから悩み苦しみます。
 
宮沢賢治といえば、誰もが知っているたくさんの名作がありますよね。
宮沢賢治の本を置いていない図書館や本屋はないでしょう。
しかし当時はファンタジーなどまだ認めてもらえない時代だったのでしょう。
出版した本は全く売れませんでした。
 
いつまでたっても少年のように夢を追う純粋な男。
そしてずっと親の意見を聞き入れることのできない反抗期。
自分の理想を貫くために、家族のやさしさや愛に気がつかないことも。
 
夢や理想を追う人と付き合うって、きっと難しいでしょうね。
私ならきっと付き合いきれないと思います。
(相手もきっと私とは付き合おうと思わないでしょうが。笑)
 
いつの時代も天才とは生まれるのが早すぎるのでしょう。
天才とは未来からの訪問者かもしれません。
 
ラストの渡哲也さんの涙を浮かべながらの「雨ニモマケズ」の朗読には感動。
この詩は賢治そのもの。
親ならばこの詩を読むたびに、息子を思い出し泣くでしょう。
 


 
【解説】allcinemaより
童話作家宮沢賢治の半生を描いたファンタジックな作品。セルアニメと実写との合成シーンで、宮沢賢治の作ったキャラクターが登場した。