冬のライオン(1968)

 

 
 
イギリス国王の後継者問題、フランスとの協定に領土問題を巡って
国王ヘンリー2世と妾、王妃エレノアと3人の王子が
腹を探り合い、欺き合います。
夫婦の愛憎、嫉妬、嘘、権力に支配・・
 
国王は王妃と離婚して妾と結婚する
息子たちとは縁を切って、妾に男子を産ませると大騒ぎ。
 
延々と続く火花散る国王と王妃のぶつかり合い。
相手に対するイヤミ、イヤミ、イヤミ。
だけれど長年連れ添って、ふたりの心底には愛情もまだ残っているのです。
お互いがお互いを知り尽くしている。
 
結婚や、親子や、隣国との関係もすべて領土が絡む時代。
愛はいつか消えるけれど、土地は消えない。
だけれど愛がなければ、やはり人生に満足感は得られないのです。
さすがの凄味で好演していました。
 
しかし2時間強、嫌味な物言いを聞かされ続けると
さすがに疲れました、しんどい。
その割にラストはあっさりと元のさやに収まって
この夫婦は毎年クリスマスと復活祭に同じことしているのかしら?と
呆気にとられてしまいましたが。笑
 
とはいえ名作には間違いないでしょう。
アカデミー賞の女優賞、作曲賞、脚本賞受賞ですし
アンソニー・ホプキンス(デビュー2作目)と
ティモシー・ダルトン(デビュー作)の若かりし日の名優も拝めます。
 
いつの時代でも、どこの国でも
肉親の確執って他人同士より難しいものですね。
特に財産があればあるほど、泥沼化するのでしょう。
葬式代がないほど財産が全くないのも、また困りますけど。
 

 
【解説】allcinemaより
1183年のクリスマス・イブの夜。イギリス国王ヘンリー2世は、後継者を決めるために一族を召集した。そしてその中には、王の居城から離れて軟禁されていた王妃エリノアの姿もあった。二人はそれぞれの思惑をかかえ、別々の後継候補の後押しをする……。王位継承をめぐる争いを描いた歴史ドラマ。
 1183年、クリスマスも間近の夜、イギリス国王ヘンリー2世は、後継者を決めるために一族を召集。息子三兄弟のほか、幽閉状態の王妃エレノア、さらにフランス国王フィリップと彼の姉でヘンリーの愛人アレースも参加した。ヘンリーは三男ジョンを、エレノアは長男リチャードをそれぞれ後押しし、次男ジェフリーとフィリップはよもやの機会を伺う。やがて、息子たちの策略や堕落に失望したヘンリーは彼らを地下牢へ閉じこめ、自らの手で処刑に及ぼうとするのだが…。