ヴェラクルス(1954)

 
 
 
爽やかさに無縁といえばこの人!さすがのアルドリッチ監督。
とことん不敵で濃くて暑苦しい。
埃と汗で体臭が臭ってきそうでしたが
理屈抜きに楽しい娯楽アクションでした。
 
南北戦争直後の物騒な風潮の残るメキシコ。
南軍元大佐のトレーン(クーパー)は馬の足が折れたことで
新しい馬を手に入れようとし、無法者のエレン(ランカスター)と出会います。
ある日皇帝の側近を助け宮殿に呼ばれたふたりは
伯爵夫人を馬車でヴェラクルス港まで送り届けることを命じられるのです。
 
しかし、皇帝も、伯爵も、伯爵夫人も、一皮むいたら胡散臭いヤツばかり。
どいつもこいつもが金目当のワル。
敵味方入り乱れての騙しあいに腹の探りあい。
金を奪おうするエリンと、それを革命資金に充てようとするトレーン
最後に笑うのはいったい誰なのか?
 
ふたりのラストの対決。
フェアな撃ち合い、友に華を持たせ逝く…
誰もが納得する見事なジ・エンド。
素晴らしい決闘シーンでした。
 
ヒロインもそれぞれが一癖あって面白かったですね。
特にメキシコ美女のサリタ・モンティエールが良くて
野性味たっぷりの美しさが魅力的。

若きランカスターの白く輝く歯並びもお見事
目に焼き付いて離れません。笑
 
西部劇の対決ものの傑作でしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
南北戦争直後のメキシコを舞台に、ひょんなことから出会った2人のガンマンが隠された黄金を発見し、その大金をめぐって対決する運命を迎えるまでを、G・クーパー×B・ランカスターの競演でアルドリッチが豪快に描いたウェスタン。
 南北戦争後、動乱のメキシコにやってきた元将校のトレーンは、ならず者のエリンと出会う。やがて、彼らはマクシミリアン皇帝寄りの侯爵から雇用の機会を得るが、一方で革命軍の将軍に目をつけられるのだった。そんな中、伯爵令嬢のマリーが乗る馬車をヴェラクルスの港まで護衛する仕事を依頼され、これに侯爵も加わり出発するトレーンとエリン。すると道中、彼らは馬車の中に隠された大金を発見する。しかしその直後、将軍一味による襲撃に乗じて侯爵がその金を強奪し逃走してしまう。トレーンたちが将軍ら革命派に吸収される中、金に目が眩んでいたエリンはその奪還だけに執着していくのだが…。