ミシシッピー・バーニング(1988)

 
 
 
「憎しみは生まれつきでなく、教えられたの
差別は聖書にあると教わったわ。創世記の9章27節にあるってね
7歳のときに聞かされれば、信じてしまうわ。心には憎しみ・・
憎しみに生きて憎しみを呼吸する」
 
ミシシッピーの田舎町、KKKによる過激なまでの黒人差別。
銃殺、リンチ、家には火をつけ、首に縄をかけ木から吊るします。
しかし、そのことに誰もが口をつぐみます。
そう・・自分の身を守るためには見て見ぬふりをするしかないのです。
 
人種差別問題ではないのですが、ふと近頃ワイドショーを賑わせている
10代の少年少女による集団暴行による殺人と死体遺棄の事件を思い出しました。
人間ってもしかしたら集団(仲間)で残虐な行為をした場合
歯止めがきかなくなるものかもしれません。
事件の当事者はLINEを使って実況を伝え
それを見た人間がその行為を煽る。
とても恐ろしいことです。
 
KKKも、現代の若者も
暴力や殺人で何を解決しようとしたのでしょう?
 
ジーン・ハックマンが、もしも「フレンチ・コネクション」のポパイが老けたら?的なイメージでファンとしては嬉しい登場ですよね。
インテリで神経質っぽい風貌のウィレム・デフォーも良かった
似合っていました。
 
タイトルの通り、燃えまくる作品。
木造の家が赤々と燃え盛る炎は必見で、アカデミー撮影賞を受賞しています。
 

 
【解説】allcinemaより
1964年の夏、行方を絶った三人の公民権運動家の捜査のためミシシッピーにやって来た二人のFBIエージェントの、予想以上に厚い人種差別の壁に阻まられながらの捜査を描いた社会派サスペンスの一級品。実話を基にした脚本は人種問題と捜査劇を巧みに織り混ぜており、南部出身で人間臭い捜査官に扮したG・ハックマンのパワフルな芝居も見応えがある。