ロリータ (1962)

 
allcinemaさんはかなり酷評ですが(笑)
 
キューブリックの変態度はそれほど高くないですね
エロティックさにも欠けて、本人も本作のことを
「エロティックな面を強調できなかった」とコメントしているそうです
 
黒澤明監督同様、キューブリックも男優は輝かせるけど
女性の美は追求できないタイプではないでしょうか
(「アイズ・ワイド・シャット」(1999)では、無理したから死んじゃったのよ)
 
 
やはりロリータは13歳以下(原作では12歳)
身体が大人になっていないにもかかわらず、魔性の女
そんな少女の虜となって破滅していく中年マゾ男
それが醍醐味
 
ロリータ役のスー・リヨン(当時15歳)も確かに若い
 
だけど男性が性の対象として見れる、年齢に外見
日本でも法的には16歳から結婚できるわけですから
お互い同意であれば付き合うことも可能だと思います
 
 
 
有名なあらすじは
 
パリからアメリカにやってきたハンバート(ジェームズ・メースン)は
下宿の娘、ロリータに一目惚れ、彼女のそばにいるために
下宿のシャーロット夫人(シェリー・ウィンタース)と結婚します
 
ハンバードは甲斐甲斐しくシャーロット夫人に尽くすものの
彼女がロリータを寄宿学校に入れると勝手に決めたことで
キレてしまい殺そうかとまで思ってしまいます
しかしハンバードの日記を盗み読みした夫人は道路に飛び出し事故死
 
そしてハンバードはロリータを連れ出し
モーテルからモーテルへと放浪の旅に出ます
 
一方、作家のクィルティ(ピーター・セーラーズ)という男も
ロリータに目をつけていました
そしてクィルティはロリータを連れ去るのです
 
 
 
変態ロリコン映画を期待すると肩透かし(私だわ 笑)
 
それどころか、前半はシェリー・ウィンタースのエキセントリックぶりと
(「陽のあたる場所」同様、男に棄てられる蓮っ葉な女が似合う)
それに息ピッタリなジェームズ・メースンが可笑しい
ロリータとの逃亡劇も簡易ベッドがバッタンバッタンでコメディ
 
作中のロリータがすでに成熟しているせいか
幼女対して性的嗜好に感じる気持ち悪さや
狂気もあまり伝わりません
おませな愛娘に対する、父親の過剰な束縛と愛情
中年男の悲哀は伝わりますが、それだけ
 
 
 
文芸的ですし、この作品を崇拝する
ムービーファンもきっと多くいるでしょう
 
 
ただ、私の変態魂は刺激しなかった
 
 
キューブリックらしい「はっ!」とした艶のある映像美は
ロリータの登場シーンでは感じられました
 
映画のオープニングと、ポスターは、妄想力を掻き立てられる
素晴らしい出来だと思います
 
 
 
 
 

 
【解説】allcinemaより 
少女愛好家“ロリコン”の語源ともなっている、ナボコフの同名小説をS・キューブリックが映画化した問題作。夏を過ごそうと田舎町で下宿するハンバート(J・メイソン)に、未亡人シャーロット(S・ウィンタース)は積極的だが、当のハンバートは彼女の娘・ロリータに心奪われていた。やがてハンバートとシャーロットは結婚するが、夫が娘を愛してる事を知ったシャーロットは逆上のあまり事故死してしまう。心置きなく二人だけの暮らしと相成るはずだったが、近所の視線も気になり、ハンバートはロリータを連れて車で旅に出るのだが……。原作者ナボコフ自身が脚本を書いており、その意味で忠実な翻案とは言えるのだが、いかんせんそれをフィルムに転化させる段取りにしくじった感がある。そのもっとも大きな要因はやはりロリータを演じるS・リオンの魅力の無さだ。異常性愛のひとつとみなされる“少女愛”をテーマにしている以上、それを体現できる女優でなければ意味がない。単なる可愛い子ちゃんの域を出ていないリオンから、そのオーラは発せられていないのだ。75000人の候補から選ばれたというのが本当に事実ならキューブリックの人選ミスとしか言えないだろう。メイソン、ウィンタース、そしてもう一人の“ロリータに惑わされる男”を演じるセラーズなど、傍が芸達者なだけに、その落差は激しく見えてしまう。尺が長すぎるのも無論、問題ではある。