リンカーン(2012)

 
南北戦争の映画は多く見てきましたが
そのさなかに、リンカーンと側近による
奴隷制廃止のための憲法13条修正案を
合衆国憲法に定めるための運動が行われていたのは
知りませんでした
 
可決の3分の2の議席が獲れない
反対派が多くいる民主党員の票を獲得するため
説得、賄賂、天下り先・・ありとあらゆる議会工作を謀ります
しかし事はそう簡単に運びません
 
息子を戦争で失った妻の哀しみ、神経症
そしてもう一人の息子も戦争に行くという
 
やってくる南軍から和平交渉の使節
いち早く戦争終結するためには南軍の要望を受け入れ
奴隷制度を続けるべきなのか
信念と妥協の狭間で、悩み苦しむリンカーン
 
「すべての人間は自由であるべき」という理想を信じるリンカーンに対し
実はたったひとりの女性のために戦っていたという
奴隷解放の急進派であるスティーブンス共和党議員のくだりは感動的でしたね
彼の「法では平等」という意見ももっともだと思いました
 
能力のある人間と、そうでない人間
真面目に働く者と、怠けて暮らす者
知識を蓄えた者と、遊んでばかりで教養のない者
本当に誰もが平等でいいのでしょうか
やはり格差は必要だと思います
 
だけれど法のうえでは平等
人種や、性別、年齢、あらゆることで
差別されるべきではないのです
 
ついにアメリカ合衆国憲法修正第13条は議会で可決されます
黒人にとって自由への第一歩
 
だけれど、リンカーンは暗殺されるのです
 
憲法改正というテーマは今の日本にとっても
興味あることではないでしょうか
 
リンカーンに見習い、日本の議会でも
きちんとした議席を獲得して
姑息な手段は使わないことを願います
 
政治に命を懸けた政治家もいたのだから
 

 
【解説】allcinemaより
シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」の巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が、“アメリカ史上最も愛された大統領”エイブラハム・リンカーンの偉大な足跡を映画化した感動の伝記ドラマ。国が大きく分断された過酷な状況において、リンカーンはいかにして奴隷解放という大いなる目的を達成するに至ったのか、その知られざる政治の舞台裏を、理想のリーダー像という視点から丁寧に描き出していく。主演は本作の演技で「マイ・レフトフット」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」に続いて、みごと3度目のアカデミー主演男優賞に輝いた名優ダニエル・デイ=ルイス。共演はサリー・フィールドジョセフ・ゴードン=レヴィットトミー・リー・ジョーンズ
 南北戦争末期。国を二分した激しい戦いは既に4年目に入り、戦況は北軍に傾きつつあったが、いまだ多くの若者の血が流れ続けていた。再選を果たし、任期2期目を迎えた大統領エイブラハム・リンカーンは、奴隷制度の撤廃を定めた合衆国憲法修正第13条の成立に向け、いよいよ本格的な多数派工作に乗り出す。しかし修正案の成立にこだわれば、戦争の終結は先延ばししなければならなくなってしまう。一方家庭でも、子どもの死などで心に傷を抱える妻メアリーとの口論は絶えず、正義感あふれる長男ロバートの北軍入隊を、自らの願いとは裏腹に黙って見届けることしかできない歯がゆさにも苦悩を深めていく。そんな中、あらゆる手を尽くして反対派議員の切り崩しに奔走するリンカーンだったが…。