ヘル・レイザー(1987)

原題はHellraiser」(地獄を引き起こす者)

クライヴ・バーカーが自身の原作を監督したホラー作品
B級低予算ながら、素人監督としてなかなかの出来栄え

皮膚感覚に訴える生々しい特殊効果と

痛みを姿で表したというクリーチャーのデザイン

今となっては見慣れてしまったものの(笑)

怖いを超えたビジュアル系に

グッドデザイン賞を差し上げたいと思います(笑)

ストーリーはパズルボックス(ルマルシャンの箱)が開けられたことによって

異界から現れた魔導士(セノバイト)たちが

極限の快楽を得るための代償として、苦痛を与え肉体を奪うというもの

決して無差別に人間を襲うものではなく

(無差別に男を殺そうとするのは愛人の女のほう)

人間の悪事を悪魔のせいにするなって話ですよね(笑)

ロッコ、究極の快楽を求めていたフランク・コットン

異界の快楽の領域の扉を開くと言われているパズルボックス手に入れます

自宅に戻りパズルを解くと鉤状の鎖に身体は引き裂かれてしまい

魔導士が現れパズルをリセット、部屋はの状態に戻ります

数年後、フランクの弟ラリー(アンドリュー・ロビンソン)と

二番目の妻ジュリアがその家に引っ越してきます

ジュリアはフランクの寝室で彼が女たちと交わっている写真を見つけ

その中の1枚を破って隠します

ジュリアは再婚してすぐの頃、フランクと不倫し

彼とのサドマゾヒズムなセックスを今でも忘れることが出来ずにいました

さらにラリーの連れ子で10代の娘

カースティ(アシュレイ・ローレンス)とはギクシャクした関係

ラリーがベッドマットを運んでいるとき、誤って手を切ってしま

流れた血が屋根裏の床うと肉の残骸が動き出し

その夜、血を吸い(骨格だけ)蘇ったフランクがジュリアの前に姿を現します

(しかもほふく前進で 笑)

ジュリアはフランクと一緒に逃げるため

彼の体を元に戻すことに協力することにします

ジュリアはバーで知り合った男たちを次々屋根裏部屋に連れ込むと

(その姿をカースティが見てしまう)

致命傷を負わせフランク彼らの血と内臓を吸い取らせるのです

ジュリアをつけて屋根裏部屋にきたカースティは

男の無残な死体と、ずる剥けのフランクおじさんを見つけます

彼女が床に落ちていたパズルボックス拾うとフランクおじさんは動揺し

重要な箱だと気付いたカースティは箱を逃げ出しますが

途中で倒れてしまいます

病院で目覚めたカースティパズルボックスくと、4人の魔導士が現れ

壁に出来た裂け目に逃げこんだカースティを

エンジニアと呼ばれるモンスターが襲います

魔導士のリーダー、リードセノバイト(ダグ・ブラッドレイ )

(もともと名前はなく「ピンヘッド」はファンがつけた愛称らしい)

自分たちに痛みと快楽の区別はなく、天使と悪魔の両方として認識され

異界からの「探検家」でもあると説明すると(意外とお行儀がいい 笑)

カースティを異界に連れ去ろうとします

カースティは箱を開けたことは偶然で何も知らなかったと

そしてフランクが異界から逃げ出したことを教えます

ピンヘッドはカースティの自白が真実なら、彼女を助け

代わりにフランクを捕えるため彼の居場所に案内するように言います

(意外と物分かりもいい 笑)

家に戻ったカースティは父親にすべて説明しようとすると

父親は「フランクおじさんはすでに殺害した」と

カースティをジュリアと共に屋根裏部屋に連れて行くと

皮をむかれた死体を「フランクおじさん」だと説明します

フランクが死んだと聞かされた魔導士は

代わりにフランクを殺した人間を引き渡すように命令しますが

カースティは父親を魔導士に差し出すことはできませんでした

しかしカースティがボーイフレンドのもとに行こうと父親と揉み合うと

彼は父親の皮を被ったフランクおじさんでした

フランクおじさんは皮膚を奪うため父親を殺したことを自供し

今度は若返りのためカースティの血を欲しがります

しかし誤ってジュリアを殺してしまい(ちゃっかり生気は吸い取る)

フランクおじさんが再びカースティを殺そうとしたとき

フランクおじさんの前に鉤付きの鎖が現われ

彼の肉体はバラバラになり消えてしまいます

次に魔導士たちがカースティを襲おうとすると

カースティはパズルボックス逆の動作で閉めることに成功

(ボックスの操作をいつ覚えた? 笑)

魔導士たちは異界に戻り封印されます

(ひとり瓦礫に埋もれたまま取り残されているよ 笑 )

そこにボーイフレンドのスティーブが到着し

倒壊していく家からカースティを救出します

カースティがパズルボックスを燃えている薪に投げ込むと

浮浪者の老人がやって来て炎から箱を拾い

翼のある骸骨となって空へ飛び去っていきます

そして再びモロッコ

パズルボックスを手に入れるため、別の男がやって来るのでした

 

 

【解説】映画.COMより

ホラー作家のクライブ・バーガーが自らの著作「ヘルバウント・ハート」を映画化し、1980年代ホラーを代表する一作となった恐怖映画。
極限の快楽をもたらすという謎のパズルボックスを手に入れたフランクは、そのパズルを解いたことで異界から現れた魔道士たちに八つ裂きにされ、肉体を失った。それから数年後、空き家となっていたフランクの家に、弟のラリーが新妻のジュリアと娘のカースティとともに引っ越してくる。そして、ラリーが怪我をして流した血によってフランクの魂は覚醒し、おどろおどろしい姿となって現れる。実はフランクとジュリアはかつて愛人関係にあり、フランクはジュリアを使って家に男たちを誘いこみ、その血肉を食らって肉体の完全な復活をもくろむ。その企みを知ったカースティは、パズルボックスを奪って逃げるが……。
魔道士と対峙するヒロイン、カースティ役には本作の後もシリーズ3作品に出演することになるアシュレイ・ローレンス。カースティの父ラリー役に「ダーティハリー」の悪役で知られるアンドリュー・ロビンソン、カースティの継母であるジュリア役にクレア・ヒギンズ、まがまがしくフェティッシュな造形でホラーアイコンにもなった魔道士ピンヘッド役をダグ・ブラッドレイがそれぞれ演じた。

1987年製作/94分/PG12/イギリス
原題:Hellraiser
配給:フリークスムービー
劇場公開日:2023年12月8日

その他の公開日:1988年3月(日本初公開)