熱いトタン屋根の猫(1958)


 
 
 
熱いトタン屋根の猫(Cat on a Hot Tin Roof)とは
「不安で落ち着かず、びくびくする」と言う意味があるそうです。
 
キラキラと宝石のように輝くオーラに包まれています。
美しいこと、このうえありません。
 
友人スキッパーの死が原因で、仕事もせず酒びたりの夫のブリック。
夜も相手にしてくれないため、妻のマギーは子どもにも恵まれない。
自分の欲求不満を「熱いトタン屋根の猫みたい!」と訴えるマギー。
しかしブリックからは「愛人を作れ」という答えが返ってくるだけ。
ブリックは、かってスキッパーがした「マギーと寝た」という
告白を信じています。
だからマギーに誘われても決して彼女とは寝ないのです。
 
ブリックは死んだ男友達を誰よりも愛していたのです。
そして自殺したのは、マギーと寝たことを責めた自分のせいだと思っています。
 
こんなダメな息子を、父親はとても可愛がっていました。
ガンで余命間もない父親の遺産を狙っている兄夫婦は、それが面白くない。
「子供が出来ない理由だって知ってるんだから!」
マギーとブリックの私生活を暴き、姑には子どもたちを使って媚を売ります。
兄嫁の根性の悪さも、ここまでやったらあっぱれ。なかなかの快演でした。
この兄嫁の登場シーンが、作品のなかで一番盛り上がったくらいです。笑
 
親子や夫婦の溝を埋めるのは、他人との関係がこじれたときより難しいですよね。
でも、よく考えてみれば一番不幸なのは、マギーでもスキッパーでもなく
お兄さんです。
父親には愛されず、怖い嫁にあの子どもたち・・
遺産を多めにもらっても、決してバチはあたらないでしょう。
 

 
【あらすじ】yahoo!映画より
ビッグ・ダディと呼ばれるポリット家の当主が、ガンで余命いくばくも無いと判明した。長男夫婦は遺産を狙って、彼に取り入ろうとする。しかし、ビッグ・ダディは、酒浸りの次男ブリックに愛情を注いでいた。ブリックはかつて、名フットボーラーとしてビッグ・ダディの自慢のタネであった。しかし足を故障して以来、妻のマーガレットとも不仲になり、生きる糧を見いだせない男に堕していた……。南部の旧家を舞台にしたヒューマン・ドラマ。