チャイコフスキー(1970)

 
 
クラシックに無知な私でも、チャイコフスキーの「白鳥の湖」は知ってます。
(みんなもそう?笑)
 
ロシアの偉大な作曲家チャイコフスキー
ピアニストのニコライ・ルビンステインの、曲が難しすぎるという批判。
イタリアのソプラノ歌手デジレ・アルトーとの愛の終わり。
教え子アントニーナとの2ヶ月半の不幸な結婚。
そして、スポンサーとなってくれるメック未亡人。
 
「あなたへの感情は、私のものなのです」
 
チャイコフスキーは、メック夫人なしで語ることはできないでしょう。
2人の間には14年間に及ぶ文通が交わされました。
夫の遺産をチャイコフスキーのために注ぎ込み
作曲に専念するため別荘まで提供するメック夫人。
 
「ただ1度だけ会いたい・・・」
「好意に答えられない」
 
夫人の家の没落とともに、ふたりの関係も結末を迎えます。
 
無償の愛をささげるメック夫人に対し
好意だけ受け取って逃出すチャイコフスキー
なんてひどい男なのでしょう。
しかし夫人からの手紙は待ち続けるのです。
 
キーワードになるもうひとりの登場人物が
常にチャイコフスキーの面倒をみている、アリョーシャという召使い。
嵐の夜には、雷が怖いからと、アリョーシャを寝室に呼び
添い寝してもらいます。
 
チャイコフスキーは男色家だったということです。
それを知ると、この作品のあらゆる曖昧さが納得できますよね。
 
チャイコフスキーとメック夫人が同じショットの中で
「会話」するシーンはよかったですね。
たとえ離れていても、心が通じているという雰囲気がよく伝わりました。
 

 
【あらすじ】yahoo!映画より
ピアノ協奏曲を完成させたチャイコフスキーは、それを“難しすぎる”の一言で切って捨てた恩師とトラブルを起こす。打ちひしがれた彼に、援助の手を差し伸べたのは、富豪の未亡人フォン・メック夫人だった…