シャンプー台のむこうに(2001)

原題は「Blow Dry」(ドライヤーで乾かしながらヘアスタイルを整えること)

イギリスはヨークシャーの田舎町キースリーで

全英ヘアドレッサー選手権が行われることになり

理容師の元夫婦と息子が力をあわせて優勝を目指すというもの

完全にキャスト勝ち

髪型対決なのか、芸術対決なのか、もはやどうでも良いのか(笑)

遺体がファンキーヘアになり

おばあちゃんがファンキーヘアになり

羊もファンキーになり

市長が歌う(しかも最後まで歌いきるんかい!)

ストーリーと全く関係のない個所が可笑しすぎる(笑)

かつて「シザーズキング」と呼ばれ、全英ヘアドレッサー選手権を2連覇した

伝説のハサミ師フィル(アラン・リックマン)

今は息子のブライアン(ジョシュ・ハートネット)とふたりで

理髪店を経営しています

元妻のシェリー(ナターシャ・リチャードソン)も理容師で

10年前フィルとペアで出場した3連覇がかかった大会最終日の前日

シェリーは夫と息子を捨て

モデルのサンドラ(レイチェル・グリフィス)と駆け落ちしたのです

それ以来、絶縁状態にありましたが

シェリーは末期ガンに冒されており

盲目のおばあちゃんから

「死が近いと知った時、唯一の救いは準備ができることよ」と言われ

フィルとブライアンとの関係を修復したいと思いました

そこでサンドラも含めた4人で大会に出場しようと持ち掛けます

いやいや、そんな都合のいい話ありませんから(笑)

既にイギリスでは同性のパートナーがあたりまえだったのか

LGBTQ はさらっと描かれていますね(2013年には同性婚が合法化)

でも「男と駆け落ちしてくれたら、まだ良かった」という

フィルの気持ちもよくわかる

そんなときフィルのもとに、かってのライバルで現チャンピオンの

レイモンド(ビル・ナイ)がフィルが大会に出場しないことを確認しに来ます

ブライアンはフィルの理容師としての能力を軽視する

レイモンドの態度に腹を立てますが

レイモンドの娘でカラーリストを目指す

クリスティーナ(レイチェル・リー・クック)に一目惚れ

シェリーのチームに加わることにし

クリスティーをバイト先の葬儀場に連れて行き

遺体でカラーリングの練習をさせます

ショッキングピンクシド・ヴィシャスされた95歳のおじいちゃん(笑)

さすがに遺族に殴られてしまうブライアン

大会はブロー、男性ヘアセット、女性ヘアセット(夜会巻き)

トータルプロデュースの4部構成

第1ラウンドのブローはブライアンが出場

しかしレイモンドの不正行為で(これがまたしょうもない 笑)

レイモンドの勝ち

シェリーはフィルとブライアンに自分が末期ガンであることを明か

フィルに協力してほしいと頼みます

出場はしないが、コーチはしてもよいと同意するフィル

第2ラウンドの男性ヘアセットもブライアンが出場

レイモンドの妨害を阻止し上位チームとの差を縮めることに成功

第3ラウンドの女性ヘアセットはシェリーが出場

しかし前の晩シェリーの末期ガンを知ったサンドラは

自分だけ知らされていなかったことに腹を立て、チームを辞めてしまいます

シェリーは盲目のおばちゃんにモデルを頼み、勝利

総合2位まで追い上げると

フィルに「優勝することが目的じゃない」

「(死ぬ前に)私たち4人で家族になりたい」と打ち明けます

フィルは最終ラウンドに出場することを決め

サンドラにチームに戻って欲しいと頼みます

ブライアンはクリスティーナが

レイモンドの不正に加担していると勘違いし、彼女と喧嘩してしまいます

レイモンドの不正を知ったクリスティーナは父親を責め

(決勝戦でモデルの予定だった)ハサミで髪を短く切ってしまいます

そして最終ラウンド

ズルなしの真っ向勝負、気迫溢れるハサミ捌き、激しいバトルの末

フィルのはサンドラの頭を剃り頭皮のタトゥーを露出させ

ボディペイントを塗るという斬新なデザインで見事総合優勝

4人とクリスティーナは腕を組み会場を後にするのでした

シェリーが病気の設定は完全に不要でしたね

それがなければもっと面白くなったのに(笑)

ただ95分とコンパクトで見やすいですし

アラン・リックマンナターシャ・リチャードソン

偲ぶことはできました

 

 

【解説】映画.COMより

フル・モンティ」でオスカー候補になったサイモン・ボーフォイの脚本を映画化。ヘアドレッサー・コンテストを背景に、家族の修復を描くヒューマンドラマ。「パール・ハーバー」でブレイクを果たしたジョシュ・ハートネットと「シーズ・オール・ザット」のレイチェル・リー・クックが恋人役で共演。

2001年製作/95分/イギリス
原題:Blow Dry
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2001年12月15日