潜水服は蝶の夢を見る(2007)




ジャン=ドーが病院で目を覚ましたところから物語は始まります
よく見えない
人が騒いでいる。
看護師や医師が現れ状況を説明してくれても
何がなんだか・・・

ファッション雑誌「ELLE」の編集長として活躍中の1996年12月
ジャン=ドーはドライブ中に脳出血をおこしてしまいました
医師の診断はロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)
左目の瞼以外は動かない全身麻痺となってしまいます

はじめの頃は苛立ち、心の中は文句でいっぱいでした
しかし、想像力と記憶力は失われていないと悟ったジャン=ドーは
「自分を憐れむのはやめた」のです
そして自伝本の出版を決意します

全身麻痺での生活という重いテーマでありながら
落ち込むとか、暗くなることはありません

ジャン=ドーがものすごい女好きなのですね(笑)
大半が彼の目線で進行するのですが
それが女性の顔や胸元や脚を追いかけます

1度も見舞いにも来ない愛人から電話がきた時には
献身的に面倒を見てくれている元妻に
「毎日、君を待っている」と代弁までさせる始末

女好きの男性ってポシティブ(笑)
限りある状況の中でも、限りない可能性を見つけます

美人の療法士に看護師に編集者になら、介護されるのも
まんざら悪くないような気にさえなってくる(笑)

私だって、脳梗塞や脳溢血で倒れる可能性はゼロではありません
その時は潜水服で蝶の夢を見よう

看護師さんはブラッドリー・クーパーとか
(これ以上イケナイ妄想が膨らむとマズいのでやめておく・・笑)

ジャン=ドーは次の作品を用意していたにもかかわらず
1997年3月9日感染症のための合併症で永眠
きっと天国でも女性を口説いていることでしょう



【解説】allcinemaより
 42歳という働き盛りに突然の病に倒れ、身体の自由を奪われてしまったELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、全身の中で唯一動く左目の瞬きだけで綴った奇跡の自伝ベストセラーを映画化した感動ドラマ。監督は「夜になるまえに」のジュリアン・シュナーベル。主演は「キングス&クイーン」「ミュンヘン」のマチュー・アマルリック
 雑誌ELLEの名編集長として人生を謳歌していたジャン=ドミニク・ボビーは、42歳の時、ドライブ中に突然脳梗塞で倒れてしまう。その後、病室で目覚めた彼は、身体全体の自由を奪われた“ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)”となっていた。それはまるで重い潜水服を着せられたような状態だった。意識は鮮明なのにそのことを伝える術がなかった。絶望にうちひしがれるジャン=ドミニクだったが、やがて言語療法士アンリエットや理学療法士マリーらの協力で、左目の瞬きでコミュニケーションをとる方法を会得する。また一方で、今まで仕事にかこつけて顧みなかった家族の大切さを改めて思い知るのだった。そしてある日、彼は自伝を書こうと決意、編集者クロードの代筆でこれまでの帰らぬ日々や思い出をしたためていく。