かえるくんとマックス(2009)


 
 
オープニングのクレジットから素晴らしい。
 
オスのかえるがメスのかえるに昆虫を捕まえてプレゼント。
ふたりの間にハートがうまれ
そのたくさんのハートが卵になります。
卵はやがておたまじゃくしになり、かえるに成長してゆく・・
 
男女の愛や思いやりが、新しい生命を誕生させる
こんな数分の短い時間で、なんて素敵な性教育なんでしょう。
 
性って開放的すぎてもいけませんし
また閉鎖的すぎることによって、間違った情報や知識を得るのも心配です。
こんなふうに幼い頃から普段の生活の中でさりげなく
性について教えていくスタイルは理想的であるような気がします。
 
のどの手術で入院しなければならないお兄ちゃん。
蛙の卵は万能薬だと、それを飲まないと声が出なくなると嘘を言い
自分の入院中にマックスに卵を採ってくるように頼みます。
お兄ちゃんとの約束を果たすためにマックスは
途中で知り合った自称看護師の女の子イェッサと共に
蛙の卵をゲットするため、森にすむおばあちゃんの家を目指します。
 
子どもが自然の中を旅するロードムービー
ミュージカル仕立てですが、歌の挿入がしつこくなくて上手いですね。
 
私も幼いころ、学校の帰り道寄り道しながら歩いて
なかなか家にたどり着かなかったって経験あります。
川も草も虫も、全てが好奇心の対象なのです。
友だちを怒らせてしまったり、喧嘩したことももちろんあります。
帰りが遅いのを心配した母親が道路にでてきて待っていてくれる・・
そういう思い出が甦えってきますね。
私にも、マックスであり、イェッサだった頃があるのです。
 
そしてこの作品で素晴らしいのが、マックスのおばあちゃんの存在。
おおらかで、やさしい、失敗も怒らない。
失敗は子どもにとってあたりまえのことなのです。
いつかこんなおばあちゃんになれたらいいな、そう思います。
 
絵本の中のような物語でした。
親御さんが絵本を読んであげるように
お子さんに見せてあげれる作品でしょう。
 
海外ではとても評価の高い作品だったようですが
日本では劇場未公開だったそう。
なんだかもったいない気がします。
 

 
概要】ウィキペディアより
歳のマックスと、兄のヤヌス、少女イェッサの間に約束と友情の絆が芽生えた小さな冒険の旅を描く映画。カエルの卵探しを通じて出会う、青空、原っぱ、森、水辺。野生の植物、虫や動物、そしてカエルと卵。忘れていた風景がある。知らなかった自然がある。子供だけでなく大人にも見てほしい世界。日本語吹替あり。