モンタナの風に抱かれて(1998)


 
 
 
なにがすごいって、心と身体に傷を負った馬のピルグリムの迫真の演技。
事故で暴れ馬になってしまったピルグリムが、再び人間に心を許してゆく
エピソードは実に感動的です。
恐怖から、優しさへと変わってゆくその眼差しに
動物好きの方なら思わず涙を流してしまうかもしれません。
 
そして、レッドフォード監督といえば、どの作品でも外さない
その映像美の素晴らしさ。
「リバー・ランズ・スルー・イット」と同じ舞台のモンタナの
広大な自然の美しさに魅せられます。
 
13歳のグレース(撮影当時14歳のスカーレット・ヨハンソン)は
乗馬中の事故により親友を亡くし、自分の右足も失います。
愛馬のピルグリムも重症を負い、命はとり止めたものの恐ろしい暴れ馬に
変貌してしまいました。
母アニー(クリスティン・スコット・トーマス)は、馬の傷ついた心を治療するホースウィスパーの存在を知り、グレースとピルグリムを連れ
モンタナへと旅に出ます。
たどり着いた牧場で、トム(ロバート・レッドフォード)にだけは
従順でおとなしくなるピルグリム
そんな優しく男らしいトムに惹かれるアニーですが
そこに夫のロバート(サム・ニール)が休暇でやって来るのです。
 
傷ついた少女の身体や心の癒しよりも
後半、母親とカーボーイ恋物語になってしまったのは個人的には残念なところ。
これが、少女と愛らしいリトル・カーボーイの初恋で
やがてお別れして少女は家に帰ってしまうのだけど
18歳とかになって、少年が彼女に会うために
モンタナからニューヨークの大学に進学してそして再会・・・
なーんていう展開なら、私的にツボなパターンだったのですけど。
(脚本家なれよ?笑)
 
しかし、好きな人ができた後にもっと好きな人が現れることって
ありえないことではないですよね。
サム・ニールと結婚したあとにロバート・レッドフォードに登場されてしまっては
女性ならば、確かに誰でもどちらにしようか迷ってしまうかもしれません。笑
 

 
【解説】allcinemaより
世界中を感動の涙で包み込んだベストセラー小説を、名優ロバート・レットフォードが映画化。心に傷を負った少女と馬を愛する男、そして男を愛する少女の母親が織りなす人間模様を詩情豊かに謳いあげる。乗馬中の悲惨な事故により、体と心に深い傷を負った少女。彼女の愛馬もまた、事故のショックから凶暴な暴れ馬となってしまう。娘の未来が馬の運命と深く結びついている事を悟った母親は、馬を癒す特殊な能力を持つ伝説のカウボーイの元を訪れる。