神様のくれた赤ん坊(1979)


 
 
「もしかして私たちの考えてることって、同じなんじゃないかしら?」
 
同棲中の女優志望の小夜子(桃井かおり)と漫画家志望の晋作(渡瀬恒彦)。
そこに突然連れてこられた、晋作の子かも知れないという5歳くらいの男の子。
子どもの父親候補は晋作を含めて5人いるといいます。
子供を引き取りたくない晋作は、残りの父親候補探しの旅に出ることになります。
 
それにしても男性とは、見知らぬ子どもを「あなたの子」と言われて
こうも、はっきりと否定できないものなのでしょうか?笑
 
そして、小夜子も自分探しの旅に出ます。
母親が遊郭で働く女郎であったことを知った小夜子は、街に立ち男に
声を掛けられるのを待ちます。
それは母親の心情を知ろうとしたのでしょうか。
それとも、ただ投げやりになったのでしょうか。
厚すぎる化粧が、痛々しい場面です。
 
カッコよかったのは、夫に先立たれ3代目になったヤクザの女将(吉行和子
ですね。
男性と違って、なんと潔く責任感があることか!
 
旅に連れ回した男の子に、やがて情が移り
そして引き取ることを決意するふたり。
子どもとは(産むことよりもむしろ)育てることにこそ、幸福はある・・
きっと、そういうことを訴えたかった作品なのでしょう。
でも、小夜子と晋作の感情の移り変わりは
どうしてそうなったか、もう少し丁寧に描いて欲しかったかな。
 

 
【あらすじ】allcinemaより
押しつけられた子どもの父親探しの旅に出たカップルの道行きを描いたドラマ。同棲中の森崎小夜子と三浦晋作のところに、見知らぬ女が少年を連れて現われ、晋作の子供だと言って押しつけていった。女の話では隣りに住んでいた明美という女が坊やを残して駆け落ちし、置手紙に晋作をはじめ5人の男の住所氏名が書いてあったのだ。晋作と小夜子は仕方なく少年を連れ、父親候補の他の4人の男の許を訪れるのだったが……。