カルメン故郷に帰る(1951)


 
 
当時はカラー映像を撮影するために、今とは比べ物にならないくらいの
強い照明が必要だったそうです。
主演者は灼熱地獄の中での演技だったとか。
高峰峰子さんや佐田啓二さん、笠智衆の名演を観ていると
とてもそんな過酷な労働条件だったとは思えないですよね。
 
東京でストリッパーとして成功したおきん。
長野の田舎の村に帰ってきたものの、その派手な服装も化粧も村には不釣合い。
おまけに、昔好きだった男性の前では大失態。
おきんは、名誉挽回?のため芸術披露をたくらみます。
そして村でストリップを行うのです。
 
私、先日入学式に出席したのですが、保護者のひとりが
それはそれは超短い短パンのスーツを着ていたのです。
金髪で腰まで長い髪、10cm以上はあるだろうヒールの靴。
キャバクラって行ったことないけど、キャバ嬢ってこんな感じなのかな?とか
思わず想像してしまいました。
けっして、けっして・・・
若いお母さんを、ひがんで言っているわけではありません。笑
 
現代でもそうなのですから、昭和26年ならあれこれ噂されたり
ガン見されるのも当然ですよね。
それでも、ストリッパーを恥とは思わず、明るく振舞う天真爛漫な主人公。
キャラクターが、M・モンロー主演の映画のイメージと重なります。
 
やはり大御所、校長役の笠智衆さんがいい味を出していますね。
それから、娘への複雑な心情を抱く父親役の坂本武さんがとてもいいです。
 
戦後6年の作品とは驚きです。
ラストは、人情味溢れ、うまくまとまっていましたね。
 

 
【あらすじ】yahoo!映画より
日本初の総天然色映画として製作された木下恵介監督作。主演は高峰秀子と小林トシ子。東京でストリッパーをしているハイカラな娘が友達を連れて里帰りしたことから静かな村が大騒ぎとなるさまをコミカルに描く。