ストレートな反核作品。
だだし映画としての出来はそれほどいいものではないでしょう。
でも、日本はアメリカに原爆を落とされたのだけど
日本も真珠湾攻撃をしたんだな・・・
戦争はどこの国にも同じ哀しみを残すということを
アメリカ人の青年を登場させたことで感じさせてくれます。
この鉦おばあちゃんの姿に、私が小4の時に亡くなった
自分の曾おばあちゃんを、ずいぶんひさしぶりに思い出しました。
彼女は今の北方領土からの引き上げ民でした。
夫と子どもを亡くし、家も財産もすべて島に置いて
身体ひとつで逃げてきました。
その後、妻に先立たれた私の曾祖父と再婚したのです。
そのことは自分の父親から教えてもらった話で
彼女はひとことも戦争こと、島での生活
以前の家族の話はしたことがありません。
私はずいぶん可愛がってもらい、一緒に寝たりもしていましたが
自分のことは決して喋らない人でした。
人は本当の恐怖を味わうと
それを忘れようとするのではないでしょうか。
生きていくために。
鉦おばあちゃんもそうだったのです。
しかしハワイに行きたい孫たちによって
少しづつ昔のことを思い出していきます。
兄弟達の名前、戦争、ピカ・・
そしてついに全ての記憶が蘇った時
彼女は狂ってしまう・・・
もっと韻を含んだ静かな作品にすれば
成功したのではないかと思います。
(世界のクロサワに生意気よね。笑)
【解説】allcinemaより