鴛鴦(おしどり)歌合戦(1939)






「ほーれほれほれ、この茶碗~」
このメロディが頭から離れません。笑


お正月映画用として撮影されたオペレッタ時代劇。
アメリカやドイツのシネオペレッタの影響をうけて作られたそうですが
出来では「会議が躍る」にも決して引けは取らない。

傘屋の娘のお春は、近所に住む片岡と好きあっています。
だけど片岡は優柔不断のモテ男。
お春はもうやきもち焼きまくり
いてもたってもいられません。

片岡を取り巻く娘3人の顔が似ていて
最初は見分けがつきにくかったですね。笑
でも3人ともとても可愛い、歌も、しぐさも可憐です。
日傘を差して散歩に行きたくなります。笑

骨董屋はちょっとずる賢かったですけれど
悪い人間というのが出てきません。
ちょっとマヌケでお人よし。

娘が殿にもらわれてしまうかもしれないのに
骨董の心配ばかりする父親の微妙な男性心理はとてもうまいですね。
オチャメなバカ殿さまもいいと思います。笑

わき役陣もいい感じで、背景となりコーラスしています。笑
カット割りは洗練されていますね。
撮影はまだ有名になる前の宮川一夫さん。

バカバカしくて、デタラメで、そして楽しい。
当時の人々はきっと、この作品を見て元気をもらえたのでしょう。
古い作品なので、画像にも音声にも荒い部分はかなりありますが
後世に残すべき名作のひとつでしょう。



【あらすじ】ウィキペディアより
堅苦しい宮勤めを嫌って、貧しくとも気楽に生きる浪人浅井禮三郎(片岡)と、彼を巡って、恋人のお春(市川)、資産家香川屋の娘おとみ(服部)、古い許嫁の藤尾(深水)との三角関係の恋の鞘当て。
骨董狂いのお春の父・志村狂斎(志村)、同じく骨董マニアでお春を見初めるバカ殿・峯澤丹波守(ミネ)、志村と殿様に同一の偽物を売りつけるあくどい骨董商・六兵衛(尾上)、禮三郎に娘藤尾の縁談を進める遠山満右衛門(遠山)、おとみの取り巻き町人連中、バカ殿の陽気な家来どもなどなど、多彩な人物がからむ。
笑いあり恋あり涙ありの物語は、禮三郎とお春とが結ばれるハッピーエンドまで、全編楽しい歌でつづられる。