This is I(2026)

ニューハーフタレントとして活躍する「はるな愛」こと

大西賢示さんの半生を基にした

世界初?(笑)エア・ミュージカル映画

とにかく、アイの小学生時代を演じた子役(岩川晴)

中学生以降を演じた望月春希の演技が素晴らしく

よくぞこんな逸材を見つけたものだと思います(笑)

男優が演じていると知ってるから

首が太いなとか、のどぼとけがあるなとか

ウエストの位置が低いことに目がいってしまうのですが(笑)

80年代90年代アイドルそのものの可愛らしさ

 

でもやはり中学高校時代は壮絶な虐めに遭い

ついには学校に行けなくなってしまうんですね

そんなとき道頓堀にかかる深里橋(ふかりばし)

ショーパブ(オカマバー)の「冗談酒場」ママ、アキ(中村中)と出会い

「アイ=愛」という源氏名でニューハーフとして働くこになります

ある日、先輩から「わだクリニック」に

薬(ピルと思われる)を取りに行くよう頼まれたアイは

(警察病院を辞めて形成外科になった)和田先生(斎藤工)の怒鳴り声に驚き

冗談酒場の名刺だけおいて逃げ帰ってしまいます

冗談酒場でアイのショーを見た和田は感激

接客に来たアイに「輝いている」と伝えます

和田が形成外科の医者であることを知ったアイは

睾丸を取り除いて欲しいと頼みます

睾丸がなくなれば男性ホルモン(テストステロン)の分泌が減り

ひげや体毛の増加、筋肉や骨格の発達といった「男らしさ」を

抑えることができるからです

ニューハーフたちは男性ホルモンを抑える代わりにピルを飲んでいて

(女性ホルモンのエストロゲンプロゲステロンを人工的に合成した薬)

副作用に苦しんでいました

しかし旧優生保護法(1948〜1996年)では

性別適合手術は(明確に「禁止」されてはいないが)概念的に認められず

作中でも「ブルーボーイ事件」という言葉が出てきますが

1965年、性同一性障害の女性に性別適合手術を行った医師が

医道の倫理に反する「淫売手術」だと摘発され

治療ではなく、生殖不能不妊)のための手術であり

「違法行為」だという判決を受けたのです

 

もしかしたら逮捕されるかもしれないと、ためらった和田ですが

アイの情熱に負けてしまい、除睾手術を行うことにします

その噂はすぐにニューハーフの間で広まり

「わだクリニック」には長い行列が出来るまでになります

さらにダンサーのタクヤ吉村界人)と恋に落ち同棲するようになったアイは

タクヤとセックスするための膣が欲しいと望むようになります

 

アイの「本物の女になりたい」という再びの熱い情熱に

和田は「本当の医療とは何か」を悩み

独学でペニスを切除した後の造膣術(膣形成術) を研究

シリコン製型(モールド)を用いて膣が塞がらない方法を編み出します

そうしてアイは日本で最初に造膣術を行った人物となり

和田は「ペニスカッター」のパイオニアになっていきます

タクヤのため性転換して、タクヤと念願のセックスをするアイ

だけど形としての膣はできたものの、想像していたセックスとは違ったのでしょう

「女の体に嫉妬する」と塞ぎこんでしまいます

それでもタクヤの明るさと優しさだけが救いでした

タクヤと一緒にタクヤの田舎の実家に挨拶に行くことになるアイ

そこでは両親だけでなく、親戚一同が集まりアイにおもてなしをしてくれました

しかしタクヤが席を外したとたん

「あんたは良い人だけど、子供を産むことができん」

タクヤと別れてもらえないか」と親戚一同から頭を下げられます

(息子には言わず、アイにだけ言ういやらしさ)

タクヤと別れ東京でアイドルを目指すことにするアイ

何も知らないタクヤはアイを引き止めますが

アイの決意は変わりませんでした

 

しかしニューハーフであることを隠さなかったアイは

芸能事務所の面接を受けてもどこも不採用

やっと得た仕事も集客の見込めないステージや

露出の多い水着を着せられるというもの

結局行きついた先は、カラオケスナックの雇われママでした

やがてエア・アイドルに目覚め、モノマネするアイに客は大うけ

その中の客のひとりがアイを番組プロデューサー(藤原紀香)に紹介

「エア・あやや」を披露したアイはたちまちテレビでブレイク

父親千原せいじの浮気が原因で離婚した母親木村多江)とも和解します

母もまた女性の心を持つアイを、男の子として産んでしまったことに

アイを苦しめたと、自身も苦しんでいたんですね

一方の和田は優生保護法違反で鶴久刑事(中村獅童)に目を付けられていて

さらに執刀した患者が(和田のミスではなかったが)死亡事故してしまい

訴訟の対応や、多額の賠償金、検察の捜査で

精神的にも肉体的にもまいってしまいます

(たぶん自分を取り戻すため)アイに会うため東京までやってきて

ボトルをキープしていく和田

間もなくして和田が(不眠のため麻酔の過剰摂取で)死んだと知らされたアイは

和田を弔うため、トランスウーマンのためのビューティーコンテスト

ミス・インターナショナル・クイーン」に出場

見事優勝を果たしたのでした

 

和田の墓に(そんな場所に墓立てないだろ 笑)優勝の報告に行き

My Revolution」で踊りだすアイ

すると派手な衣装のニューハーフたちわらわらとやってきて

アイと一緒にり出します

まあ、ミュージカルだからいいのですけど(笑)

このラストには感動より、ちょっと困惑してしました



【解説】映画.COMより

タレント・はるな愛の実話をもとに、“本当の自分”のあり方を探し求めながら夢を追う主人公の葛藤と、その人生に大きな転機をもたらした医師との出会いを描いたドラマ。はるな愛の自伝「素晴らしき、この人生」と、医師・和田耕治についてのノンフィクション書籍「ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語」を参考に、当時の日本ではタブー視されていた性別適合手術の現実とふたりの強い信頼関係を、時代を彩るヒット曲と軽やかなダンスとともに映し出す。
幼い頃からアイドルを夢見ていたケンジは、成長とともに“自分らしさ”と周囲の視線に悩むようになる。学校でいじめを受け、家族にも相談できずにいたケンジは、両親に内緒で働きはじめたショーパブで、華やかで個性的なメンバーたちと知り合い、「アイ」という名前でステージデビューを果たす。そしてアイは、貴公子のようなダンサー・タクヤと恋に落ちる。一方、過去に患者を救えなかった苦悩を抱える医師・和田は、アイの深い苦悩を知り、性別適合手術の世界に足を踏み入れることを決意する。
オーディションで選ばれた望月春希が主演を務め、医師・和田耕治役で斎藤工が共演。「Winny」の松本優作が監督を務めた。Netflixで2026年2月10日から配信。

2026年製作/130分/日本
配信:Netflix