犬ヶ島(2018)

原題はIsle of Dogs」(犬の島)

「日本」がこれでもかと詰め込まれている

ウェス・アンダーソンによるストップモーションアニメーション

日本を侮辱している、と評するムービーファンも多いそうですが

私には日本文化が好きすぎて(街並みや正面カットが小津っぽすぎる 笑)

細かい描写までとことんこだわって再現しているように思えました

メガ崎市が長崎市のたとえだとか

飛行機が墜落した煙の形が原爆雲の形であることから

アーティスティックな表現を見た目だけで

「原爆投下の容認」だとか「日本はアメリカの属国だと謳ってる」とか

決めつけてしまうほうがよっぽど怖い

(どちらかといえば差別や移民・難民問題がテーマだと思う)

それよりも、ひとつのカットに字幕のほか日本語と英語の解説が存在し

幾つもの情報を拾わないといけないほうが

動体視力の衰えた自称39歳には厳しかったです(笑)

2038年、日本のウニ県メガ崎市で犬の伝染病「ドッグ病」が流行し

犬嫌いの小林市長は全ての犬をゴミ島へ隔離することを決めます

最初にゴミ島強制送還されたのは

(両親が列車事故で死に、市長の養子となった)12歳の孤児

小林アタリの護衛犬、スポッツでした

6か月後、アタリは行方不明になったスポッツを探すため

飛行機を盗みゴミ島へ向かいます

島に墜落したアタリを待っていたのは

野良犬で誰より生きる手段を身につけているチーフ

理性を重んじるジャーマンシェパードのレックス

ドッグフードのCMスターだったワイヤーヘアード・ポインターのキング

食い意地の張ったシベリアンハスキーのデューク

高校野球のマスコット犬だったという秋田犬のボス

ショードッグの美女トレイシー・ウォーカーのナツメグたちでした

(いわゆる多様性ってやつね)

犬たちは人間に裏切られ、社会から切り捨てられた存在でありながら誠実で

リーダーは設けず、何かを決めるときは必ず多数決

反対意見犬もその結果に従います

(犬グループ同士のにらみ合いが黒澤明の「七の侍」すぎる 笑)

一方で人間界では小林市長の独断が全て

反対派を弾圧しメディアを使って人々を洗脳しようとします

つまり犬側が民主主義で、人間社会は独裁主義だということで

まるで2020年にコロナのパンデミックが起こり

その後のいくつかの国による蛮行を予言していたかのようです

(市長と対立する)科学者の渡辺教授は「ドッグ病」の血清を完成させますが

実はこの「ドッグ病」、小林市長が犬を根絶やしするため開発したもの

(さらにロボット犬の制作にも力を入れている)

渡辺教授は市長の執事ドウモに捕らえられ

毒わさび入りの寿司で殺されてしまいます

ゴミ島では、チーフらの助けを借り

スポッツの骸骨が入ったキャリーケースを見つけ悲しむアタリ

しかしそれは違う犬で

スポッツは違う犬のグループに助けられ生きていて

ペパーミントというメス犬はスポッツの子を妊娠していました

さらにアタリがチーフを入浴させるとチーフの真っ黒な身体が

(スポッツそっくりの)白に黒の斑点のある毛並みにかわります

スポッツとチーフは秘密の研究所で実験体として生まれた兄弟だったのです

(家族の出来た)スポッツは、自分の代わりにアタリのボディーガードを

してほしいとチーフに頼みます

その頃小林市長は、毒ガスを島に撒き全犬を安楽死させる計画を発表します

アタリと犬たちは小林市長を阻止するためメガに戻る船を作り

アメリカからの留学生で、ナツメグの飼い主

犬保護団体の活動メンバーでもあるトレイシーは

小林市長こそが「ドッグ病」流行の犯人であると疑い

渡辺教授の部下だったオノヨウコから

「ドッグ病」の血清バイアルを受け取ります

ついに小林市長が犬のせん滅命令を出そうとしたとき

トレイシーと犬保護団体の活動家たちが割り込み

小林市長の腐敗の証拠を提示し命令を阻止

小林市長はトレイシーを国外退去しようとします

そこにアタリと犬たちが現れチーフに血清を打ち

集まった人々の前で「ドッグ病」が治癒できることを証明

それからアタリは小林市長に捧げた俳句を詠みます

「小川にて 凍る灯火 散りゆくや」

Whatever happened to the man-hound?

A built-in lightning bolt. Icy river. Gold lantern. Gone.

アタリの言葉に感動した小林市長はせん滅命令を撤廃

それに激怒した執事のドウモは自ら犬たちをせん滅することを決意

たち犬保護団体の抵抗によりドウモの計画は阻止されたものの

アタリとスポッツは重傷を負い病院に運ば

小林市長はアタリを救うために腎臓の一つを提供します

小林市長は汚職の責任をとって辞任、ドウモら共謀者たちとともに投獄され

アタリがメガ崎市の新市長に就任

すべての犬のドッグ病」は治療され

それぞれの犬は飼い主のもとに戻っていきました

アタリとトレイシーはカップルとなり

チーフとナツメグはふたりの護衛犬になります

スポッツとペパーミントは産まれた子犬たちと

神社で幸せに暮らしたのでした

愛は世界を救ったのです



 

【解説】映画.COMより

グランド・ブダペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督が日本を舞台に、「犬インフルエンザ」の蔓延によって離島に隔離された愛犬を探す少年と犬たちが繰り広げる冒険を描いたストップモーションアニメ。近未来の日本。メガ崎市で犬インフルエンザが大流行し、犬たちはゴミ処理場の島「犬ヶ島」に隔離されることに。12歳の少年・小林アタリは愛犬スポッツを捜し出すため、たった1人で小型機を盗んで犬ヶ島へと向かう。声優陣にはビル・マーレイエドワード・ノートンらアンダーソン監督作品の常連俳優のほか、スカーレット・ヨハンソングレタ・ガーウィグオノ・ヨーコら多彩な豪華メンバーが集結。日本からも、「RADWIMPS」の野田洋次郎夏木マリらが参加。第68回ベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映され、コンペティション部門で監督賞(銀熊賞)を受賞した。

2018年製作/101分/G/アメリ
原題または英題:Isle of Dogs
配給:20世紀フォックス映画