
原作は小松左京によって新聞連載された(1983年12月~翌年12月)
「首都(東京)の機能が停止したとき
日本の政治や経済はどうなるのか」というシミュレーション小説
単行本はベストセラーとなり、第6回「日本SF大賞受賞」を受賞

原作は未読ですが、映画は前半のストーリーは原作をなぞっているものの
後半の設定はオリジナルということ
だからこんな駄作になったのか(笑)

東京が謎の雲に包まれてしまいすべての通信が遮断され
その雲は巨大なエネルギーをもっていて中に入ることもできない
見ている側は雲の中がどうなっているのか
閉じ込められた2000万人の都民はどうなったのか
マスコミが「物体O」名付けたその雲の謎を
どうやって紐解いていくかに興味深々なわけですが
そんな疑問は完全にスルー(笑)

そんなことより取材者魂を燃やシングルマザーのアナウンサーまり子(名取裕子)と
彼女に思いを寄せる関西放送報道局の田宮(山下真司)と
妻と息子が安否不明の電機会社部長の朝倉(渡瀬恒彦)の三角関係が描かれていき
「ぼくは今ひどく危険で凶暴な男になってます、先に休んでください」
「いいえ!あなたは自分の優しさにやり切れなくなっているんです」と
何か発展して愛のために東京を救うのかと思えばそうでもなく
料亭で鮎料理を食べている場合でもないし
ましてや未成年に酒を飲ませている場合じゃない

雲の近くでは多くの屋台が出てて、若者たちがお祭り騒ぎし
屋外ステージではロックバンドが演奏
ボーカルの話では、雲の中に取り残された親友がロック好きなのだと言います
まり子が「弾いてあげて」と言うと
♪LONELY CRY~♪LONELY CRY~と観客ともどもバラードを大合唱する
ロック好きな親友に聞かせるための話はどうなった?(笑)

自衛隊や消防署のヘリコプターや車両が集結し
筑波大学電子工学教授(大滝秀治)やコロンビア大学の博士の協力によって
潜水調査船しんかい2000が出動し海底から調査するものの正体はわからず

アメリカ軍の協力で、ヘリに乗り込み上空から雲を観測する朝倉
雲の切れ目を狙いカメラ付きのトンボ型の調査機を降下させると
最後一機ががついに雲を擦り抜け新宿御苑を映し出します

大阪では全国知事会が開かれ
病気療養中で難を逃れた保守系大物政治家(丹波哲郎)の協力を得て
日本を守るため暫定政権を確立しようとするシーンもあるものの
今回の惨事を私欲のために利用しようと企む人々ばかり

朝倉は本社工場のある厚木で、会社の最高機密技術である
開発中のスーパーリニアモーターカーの超磁場発生装置を完成させ
雲の薄い部分を貫くことを思いつきます
わずか数日で、超伝導電磁石の磁力を応用し
雲を不安定にして破壊するための高エネルギー加速器を積んだ
SCMトラック(異常物体対策車両)が2台完成(笑)

クリスチャンのシスターたちや、日蓮宗の団扇太鼓を打つ人々や
♪LONELY CRY~が集まり見守る中
SCMトラックに乗った朝倉が雲に突入
しかしトラックは炎上、朝倉は救出されましたが怪我を負ってしまいます

それを見た田宮が「次は俺が行く」と
専門家でもないのに突然トラックに乗り込み
そのトラックをまり子は走って追いかける(笑)
田宮が高エネルギー加速器を作動するとふたりは気絶

目が覚めたふたりが子犬を見つけ「生きている!」喜んでいると
あら、いつの間にか雲も消えちゃったわ
めでたしめでたしという(笑)

ツッコミも空振りしてしまうほどのツッコミ系ですが
唯一の見どころといえるのは、やはり東宝特撮
日本アカデミー賞では特別賞を受賞しています
【解説】映画.COMより
首都東京の上空を雲が覆い、連絡がとれなくなり、日本がパニックに陥るというSF映画。58年日本SF大賞を受賞した小松左京の同名小説(徳間書店刊)を山浦弘靖と舛田利雄が脚色した。監督は「片翼だけの天使」の舛田利雄、特撮監督は「ゴジラ(1984)」の中野昭慶、撮影は「白い野望」の飯村雅彦がそれぞれ担当。
ある夏の朝、東京は濃い霧に覆われた。夫と別れ幼い娘を母梅子に預けて、TVリポーターの仕事をしている小出まり子は、恋人で関西放送の報道マンの田宮洋介と駅で別れて新幹線に乗り込んだ。名古屋で北斗電機の技術開発部長朝倉達也も乗り込む。仕事にかまけて家庭を省りみない彼と妻の由美子との間には溝が生じていた。東京は霧に包まれてしまい、中に入ることはおろか、すべての通信がとだえてしまう。朝倉は列車で会った高校時代の友人で目衛隊二佐の佐久樹が呼んだ車に同乗、他にまり子、大臣の秘書三好も乗り込む。朝倉は厚木にある北斗電機の研究所に行く。まり子も一緒だ。そこには部下の安原、竹田、バイトの女子大生松永美恵子の他に、電子工学の権威である大田原教授もいて物体0と名づけられた雲の研究に当ることになった。田宮は川村報道部長に尻をたたかれ、小山カメラマンとともにヘリで東京へ向かい、上空にある巨大な雲を見て驚く。田宮の友人で商社マンの浦部は、早速、建築資材などを買う交渉をする。田宮はまり子と合流して取材に当ることになった。朝倉に惹かれていくまり子に、つい憎まれ口をきく田宮。三好は箱根で病気療養中だった保守党の前幹事長中田にとり入り、彼の擁立を画策する。政府なき日本に米ソの関心が高まる。小室大阪府知事は全国知事会議を国政機関にしようと提案する。朝倉は米軍機EP3Eに同乗。しかし、稲妻が機を襲い朝倉は重傷を負う。うわ言に妻子のことをつぶやくのを聞き、彼のことをあきらめるまり子。雲に電磁気エネルギーを与えればすき間ができるのではという朝倉の提案で、電磁気砲が作られた。台風下に砲を向けた朝倉は雲のために、負傷する。代りに田宮が向かい、雲にトンネルをあげ、まり子と一緒に中へ。二人はそこで犬を発見し喜びながら、さらに進んで行った。
1987年製作/120分/日本
配給:東宝