幼な子われらに生まれ(2017)

原作は重松清が1996年に発表した同名小説

 

よき家族をもち、よき父親になることに憧れ目指していた男が

キャリアウーマンの妻と離婚し

理想的と思った家庭的で子持ちの女性と再婚

ところが家庭より仕事を選んだ元妻との間にできた娘は彼にとてもよく懐き

一方で現妻の連れ子の長女は反抗ばかり、うまくいかないという矛盾

さらに長女は妻がDVが原因で離婚した「本当のパパに会わせて」と駄々をこねる

残業も飲み会も断り、こんなに家族のためにつくしてきたのに何故

さらに仕事まで管理職から倉庫係に左遷されてしまうという

サラリーマンの悲哀

うちは男子だからか、こんな反抗期がなくて助かったなと

こんな喧嘩売られたら呑気にブログを書いている暇もなかったわ(笑)

(でも大人になってからは女子のほうが親孝行してくれそうだけど)

女性って、小学生の頃からホルモンバランスとの戦い

イライラの原因は確かに家庭環境もあるかも知れないけど

自分自身の身体のことも、もっと学べる機会与えるべきだと思いますね

3か月に一度、娘の沙織(鎌田らい樹)と面会というより

親子デートをする田中信(浅野忠信)

沙織は天真爛漫で、少6になっても恥ずかしげもなく父親に甘えるタイプ

信は薫(南沙良)と恵理子(新井美羽)

2人の連れ子のいる奈苗(田中麗奈)と再婚していて、奈苗は妊娠中

奈苗が赤ちゃんが生まれることを娘たちに伝えたときから

次女の恵理子は弟か妹ができると喜ぶ一方

長女の薫と信の関係はギクシャクしていきます

たぶん、赤ちゃんが生まれたら血のつながらない私は

もう必要ない存在だと思ったんでしょうね

自分だけ沙織という娘に会うのはずるい、「本当のパパに会わせて」

こうなってくると次女の恵理子ばかろ可愛がるのもあたりまえで

奈苗に相談しても薫が元夫の沢田(宮藤官九郎)に会いたいと言うはずがない

沢田は育児や子どもの夜泣きに耐えられず、奈苗や娘たちを殴り家族を棄てた男

信が奈苗と交際をしていたころ

奈苗の「薫があんなに笑ったの久しぶりです」の言葉に

信は奈苗と結婚し娘たちの父親になることを決心したのです

薫の反抗はエスカレートしていき

恵理子には信のことを「こんな人家族じゃない」と言い信が注意しても

「命令する権利とかあんの? なんかお父さんみたいじゃん」

「私、本物のパパがいい」

さすがの信も「うるさいからやめろ!会わせるから寝なさい」とキレてしまいます

横田基地の厨房に勤めている沢田に会いに行く信

沢田は奈苗に夫として父親として頼られるこに耐えられなかったこと

自分は家庭にも子育てに向いていない人間だと

薫と会うこと拒絶しますが信がお金を払うことで了承します

薫が腹痛を訴え、初潮がきたことが知った奈苗が

「お祝いに何がほしい」と尋ねると「鍵がほしい」と

「信という知らない人が一緒だと怖くて眠れない」と告げます

信は不安そうな奈苗に「もともとおかしかったんだ」と返すと

沢田に会いに行ったことを教えます

「子供を堕ろして別れよう」と薫の部屋に鍵を取りつける信

止めに入った奈苗を思わず突き飛ばしてしまった信に

「結局その人も同じ、それなら本当のパパがいい」と薫

再度、沢田に会いに行った信は手間賃10万円を渡します

もし薫を引き取るならあと40万円よこせという沢田に

とりあえず会う約束だけは取りつけました

元妻の友佳(寺島しのぶ)からは

電話で娘との面会を見送りして欲しいと頼まれます

現夫が末期がんで余命幾ばくも無く、家族一緒に過ごした

信は友佳とも嫌いで別れたわけではないんですね

学生時代から付き合っていてウマもあう

ただ友佳は子どもを欲しがらず、信が一方的に妊娠させたためうまくいかなかった

でも結果として、やはり生まれてきた沙織は可愛い

愛情いっぱいに育てられたことがわかります

嵐の日、突然信の職場にやってきた沙織

沙織はお父さんが死にそうなのに悲しくないことが辛いと

義父の臨終に向き合えないでいました

信は奈苗に車を持ってきてくれるよう頼み

元妻と彼女の夫に会うため病院に向かいます

車の中で恵理子から赤ちゃんが生まれることを教えられ

信からなにも聞かされていなかったことに動揺する沙織

 

病室に到着した信は

「今まで沙織を育ててくれて、大好きでいてくれてありがとうございました」

と感謝の言葉を告げると、泣きじゃくる沙織を残しそっと出て行ったのでした

薫が沢田と会う日がやってきて

信もふたりが会う約束をしているデパートに行ってみます

なんだかんだ言っても、やっぱりお父さんなんだね

恥ずかしくないようちゃんとスーツ姿で薫を待つ沢田

一方あれだけパパに会いたいと言っていた薫はいませんでした

薫はどれくらい大きくなったのかと聞かれ、女の子グループを指さす信

あんなに大きいのかとお土産に持ってきたぬいぐるみを恥じる沢田

信はそのぬいぐるみを持ち帰り薫に渡します

白いゴリラの首には「かおるちゃんへ」と書かれたプレートが下がっていました

泣いてしまう薫に寄り添う信

それから薫は中学を卒業したら、祖母の家で暮らすことを決めます

クリスマスが近づいたある日、産婦人科に走る信の姿

そこには薫、恵理子の姿もあり

分娩室から泣き声が聞こえると三人は赤ちゃんと対面

家族の顔は幸せに包まれたものでした

 

いつの日か信が、薫と恵理子がいてくれたことに

感謝するときが訪れることを祈ります

 

 

【解説】映画.COMより

直木賞作家・重松清の同名小説を浅野忠信田中麗奈主演で映画化したヒューマンドラマ。中年サラリーマンの信と妻の奈苗はバツイチ同士で再婚し、奈苗の連れ子である2人の娘とともに幸せに暮らしていた。奈苗の妊娠が発覚し、長女が「本当のパパ」に会いたいと言いはじめる。前の父親である沢田とはDVが原因で離婚していたため、信と奈苗は長女が沢田と会うことに反対するが、長女は父親としての信の存在自体を辛辣な言葉で否定する。そんな長女を前妻との間に生まれた実の娘とつい比べてしまい、現在の家庭を維持することに疲弊した信は、新たに生まれる命の存在すらも否定したくなる心境になっていく。信役、奈苗役を浅野と田中が、奈苗の前夫役を宮藤官九郎、信の前妻役を寺島しのぶがそれぞれ演じる。監督は「幸せのパン」「繕い裁つ人」の三島有紀子。1996年の小説発表時から重松と映画化の約束を交わしていたという、荒井晴彦が脚本を担当した。

2017年製作/127分/G/日本
配給:ファントム・フィルム