
原題は「Nosferatu」
サイレント時代の巨匠でドイツ表現主義映画 代表する監督 F・W・ムルナウが
(客観的表現を排して、内面の主観的な表現に主眼をおいた(前衛)芸術運動 )
非公式にブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」を映像化した
「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)を(100周年を記念して)
ロバート・エガースがリメイク
この最初の6行だけで自分が何を言ってるのかわからなくなりましたが(笑)

オリジナルは未見
吸血鬼に血を吸われたら吸血鬼になる、という従来のストーリーではなく
吸血鬼がペスト(ねずみ)を運んでくるという解釈
なので吸血鬼と住んでいるのも、コウモリではなくねずみさんたち
吸血鬼を葬る方法は、なんと腹上死(笑)
日が昇るまで「もっと」と囁かれ
ある意味男のロマンを叶える死に方といっていいかも知れません(笑)

アカデミー賞では受賞こそなりませんでしたが
(撮影、美術、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート)
ブルーがかったノスタルジックな風景に、闇の黒、光のオレンジ
チェコの古い街並みと雰囲気はバッチリ
海外では予想以上にヒットしたそうです

ひとりの少女が夜空に向かって、孤独を助けてほしいと懇願しています
その願いが届いてしまったのが吸血鬼ノスフェラトゥ
ノスフェラトゥの影は甘美に少女の性欲を刺激し
永遠に自分のものであると誓わせます
少女が気がつくと恐ろしい姿の男が自分の首を絞めていました

1838年、成長した少女エレン(リリー=ローズ・デップ)には
不動産会社に勤めるトーマス(ニコラス・ホルト)と結婚したばかり
ドイツのヴィスボルクという町の安アパートに住んでいます
彼女には予知夢を見たり、将来を予測できる能力がありました

トーマスは雇い主のノック氏から
トランシルヴァニアのカルパチア山脈の城に住んでいるオルロック伯爵に
グリューネヴァルト邸を売却するための書類を届けるよう依頼されます
それは6週間もかかるという長い道のりでした

エレンは、死神と結婚するという不吉な夢(でも幸福な)を見たため
トーマスの出張に反対しますが
トーマスはこの契約が成功したら金が入り安アパートを引っ越せる
それまでは造船業の会社を営んでいる裕福な友人の
フリードリヒ(アーロン・テイラー=ジョンソン)の家に
身を寄せるようにいいます
フリードリヒには妊娠中の妻アンナと
クララとルイーズという可愛い盛りの娘がいました
アンナはトーマスがいないと不安になってしまうエレンを
いつも優しく励ましてくれます

カルパチア山脈の集落に到着したトーマスは
オルロック伯爵の城のことを尋ねると皆から敬遠されてしまい
ジプシーの一団が集まる宿に倍の料金を払って泊まることになります
その夜、ジプシーたちが死体を掘り起こし杭を突き刺す夢を見ます
夢から覚めるとなぜか靴は泥だらけ、集落は無人で彼の馬も消えていました
山道を歩いて進むと突然馬車が現れ
トーマスをオルロック城に運んでくれます

深夜にもかかわらずオルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)は
書類を見せるよう言い
集落で起こった謎について尋ねても答えてくれず
急いで取り引きを済ませると、泊まっていくよう強制します
ワインを与えられ気を失ってしまったトーマスが目を覚ますと、胸には噛み跡

次の夜、オルロックはトーマス側のサインがないと
城を売るためのものだという(古い文字で書かれた)契約書に
金貨の入った袋を差し出しサインするよう命じます
エレンがお守りに持たせた(髪の毛が入った)ロケットを要求し
返してくれと頼んでも返してくれない
(恐怖で)気分が悪くなったトーマスに、回復するまで城に留まるよう言い
再びトーマスが目を覚ますと、胸には新たな噛み跡

城から逃げようと彷徨っていたトーマスは
地下室で棺桶を見つけ、ツルハシを持ち蓋を開けます
オルロックはツルハシを奪い
逃げたトーマスは城壁から川に落ちてしまいます
倒れているトーマスを東方正教会の修道女たちが見つけ
修道女はオルロックは悪魔と契約を結んだソロモンであり
後に吸血鬼になったことを教えます

その頃、ヴィスボルク行きの船にオルロックの石棺が積まれていました
船では疫病が流行り乗組員が次々と死んで行きます
船長が石棺を開けるとねずみの大群
さらにオルロックに噛まれ血を吸われてしまいます

エレンは毎夜、夢遊病と発作に襲われるようになり
彼女を診察したジーファース医師はスイスの科学者でかっての恩師
(オカルト信仰のため追放された)フランツ博士(ウィレム・デフォー)を
紹介します
こういう映画には必ず出てくる ウィレム・デフォー(笑)

フランツ博士はエレンの拘束を解くようにいい
「エクソシスト」状態(笑)になったエレンを見ると
ノスフェラトゥと呼ばれる疫病を媒介する悪魔
吸血鬼の呪いだと説明します
そんな迷信は到底信じられないフリードリヒ
そのときフリードリヒに、ねずみだらけの船が会社(港)に到着した知らせが入り
瞬く間にヴィスボルクの町にぺストが蔓延

ジーファース医師の診療所には
羊を殺しその生肉を食べていたという男が捕まり連れてこられます
彼はトーマスの雇い主ノック氏の変わり果てた姿でした
ノックはノスフェラトゥの下僕となっていたのです
見張りを殺し診療所を脱走したノックは

フランツ博士はノックがノスフェラトゥと交わした契約書があるはずだと
ジーファース医師とともにノックの事務所を探します
そこでオルロック伯爵こそノスフェラトゥであること
ノスフェラトゥは美しい乙女の犠牲によって死ぬことを発見します

トーマスがヴィスボルクの町に戻ると
エレンは正気を取り戻し回復していきますが
エレンの前にノスフェラトゥが現れ
トーマスが離婚の文書に署名したことを教え
自分と結婚の契約をするよう3晩待つと
契約するまで1晩ごとに大切な人が死んでいくと予告します
人は簡単に殺しても、セックスは同意じゃなければしないという(笑)
そこは女性が力では服従しないことは知っているのね

ノスフェラトゥは最初にアンナの血を吸い
アンナを守るため銃を抱えて付き添っていたフリードリヒを眠らせると
アンナとふたりの娘を殺します
自分が眠ってしまったせいだと、気が狂ってしまったフリードリヒは
墓に眠るアンナの棺桶を開け屍姦すると
ペストで死んでしまいます

次に殺されるのはトーマス
エレンはフランツ博士に、愛する人の死と疫病を止めるためには
ノスフェラトゥのものになるしか方法はないと
トーマスを遠ざけてほしいと頼みます

フランツ博士はどの時代の吸血鬼の記録でも
吸血鬼は一番鶏が鳴く前に自分の棺に戻らなければ消えてしまう
ノスフェラトゥの石棺を壊すため
トーマスとジーファース医師と共にグリューネヴァルト邸に向かいます
しかし石棺の中で眠っていたのはノックでした
とっさにトーマスはノックを杭で打ち殺しますが
ノスフェラトゥがいない訳に気付いたトーマスは
エレンを救うため急いで家に戻ります

エレンは花嫁姿でノスフェラトゥを待っていました
彼を寝室に呼ぶと誓いを立て、口づけを交わします
そして夜が明けてもノスフェラトゥに要求します
やがて太陽の光りが窓から差し込むと
ノスフェラトゥは干からびていき動かなくなります
トーマスが到着したとき、ふたりは抱き合ったまま死んでいました

これって、王子様になることのできなかった「美女と野獣」
ビル・スカルスガルドって、素顔がそれこそ伯爵か王子様だけに
さらに哀しいわ(笑)
ヴィスボルクの町には明るい陽光がたちこめ
それはペストが去ったことを告げていました
【解説】映画.COMより
「ライトハウス」「ノースマン 導かれし復讐者」の鬼才ロバート・エガース監督が、吸血鬼映画の原点とも言われ、自身も多大な影響を受けたという1922年のサイレント映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」に、独自の視点を取り入れて描いたゴシック・ロマンスホラー。不動産業者のトーマス・ハッターは、仕事のため自身の城を売却しようとしているオルロック伯爵のもとへ出かける。トーマスの不在中、彼の新妻であるエレンは夫の友人宅で過ごすが、ある時から、夜になると夢の中に現れる得体の知れない男の幻覚と恐怖感に悩まされるようになる。そして時を同じくして、夫のトーマスやエレンが滞在する街にも、さまざまな災いが起こり始める。
夜な夜な夢の中で正体不明の男に怯える主人公エレン役を、ジョニー・デップの娘でもあるリリー=ローズ・デップが務め、オルロック伯爵を「IT イット」シリーズのペニーワイズ役で知られるビル・スカルスガルドが演じた。そのほか、ロバート・エガース監督とは3度目のタッグとなるウィレム・デフォーや、ニコラス・ホルト、アーロン・テイラー=ジョンソンといった豪華キャストが共演。第97回アカデミー賞で撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4部門でノミネートされた。
2024年製作/133分/PG12/アメリカ
原題または英題:Nosferatu
配給:パルコ