
主演は中村敦夫ではなく、文太兄ぃ
TV版は見たことがないのですが
主題歌の「だれかが風の中で」のレコードはなぜか実家にあります
マカロニウエスタンみたいで面白かったですね(笑)
ビターなラストはアメリカンニューシネマ風でもあります
長い楊枝に左の頬の傷がトレードマークの紋次郎の
「お控えなすって」から入る口上に
「あっしには関わりのねえことでござんす」の決め台詞
三度笠に道中合羽翻す兄ぃのかっこよさは
ポンチョ姿のクリント・イーストウッドにも引けを取りません(笑)
悪い奴らはとことんワルく同情する余地もない
渡瀬恒彦の罪状は7歳の女の子に・・(オイオイ)
挙句の果て賀川雪絵との行為中に山本麟一に串刺しされ
小池朝雄については安定の下衆ぶり(笑)

上州無宿の渡世人(町から町に流れる博徒のこと)紋次郎(菅原文太)は
一宿一飯の渡世の義理で義兄弟として認めあいます
(食べ終わった魚の骨を自分で持ち帰るのがマナー?)
その左文治が十手預かりの井筒屋仙松を斬ってしまったと
お夕さん(江波杏子)を手篭めにしようとしたからだと
自首すれば死刑を免れるが、病気で先の短い母親の死に水を取るまで自首できない
紋次郎は左文治の身代わりとして島流されることになり
左文治は母親を看取ったらすぐに自首することを誓います
三宅島に向かう囚人船を小舟で追ってきたお夕が入水自殺
紋次郎はお夕が死んだのは自分(に惚れている)せいだと思い
三宅島では女郎あがりの流人で腹に子を宿している
同じ名前のお夕(江波杏子2役)に食べ物を与え面倒を見ています
紋次郎は島人の注文で籠を作り、魚や芋と交換していました

島の断崖の上には二本の蘇鉄があり
この木に赤い花が咲くと御赦免船が来ると言われていて
罪人たちは「赦免花」と呼び花が咲くのを待ちわびています
半年振りに流人船が来て、お夕は赦免状をもらえることを期待していましたが
そんなものはないと役人にあしらわれ断崖から身を投げてしまいます
(意外と人形がよくできていてビックリ)
日野から来たという新入りの罪人、亀蔵に会った紋次郎は
左文治の母親は去年の暮れ、すでに亡くなっていることを教えられます
紋次郎は真実を確かめるため、以前から島抜け(脱走)の計画をしていてた
拾吉(山本麟一)、清五郎(伊吹吾郎)

その夜島の火山が噴火し
島人が逃げ惑う中、5人は船着場の船を奪い島抜けに成功
しかし島抜けが見つかったら死刑、秘密を守るには人間が多すぎると
捨吉は源太とお花を刺します
間もなくして嵐がやって来て、船は伊豆の浜辺に打ちあげられます
最初に目を覚ました清五郎が紋次郎を殺そうとすると
気が付いた捨吉に足を切り付けられ、その捨吉を紋次郎が斬る
紋次郎に介抱された清五郎は、島流しになる前
赦免状と引き換えに、紋次郎を殺害するよう
十手預かりに依頼されていたこと打ち明けます
紋次郎は襟に隠していた一分銭を元手に賭博場に行くと
勝った金で旅支度を整え、ひとり日野へと向かうことにします
男が紋次郎であることを知った賭博場の主は刺客を送りますが全滅
左文治にも紋次郎が島抜けしたという知らせが入り
敵に挟まれた紋次郎が逃げて正面衝突(笑)
手振れショットの立ち回りが臨場感あり
川や竹林の中での剣戟が、白戸三平のアニメみたいでカッコいい(笑)

「聞かしておくんなせぇ 誰があっしを殺せと」
信頼をしていた義兄弟のまさかの裏切り
しかも左文治一家に乗り込むと(楊枝が左文治の左目に刺さるぜ)
神棚の前には十手預かり
(自分が十手預かりになりたくて)井筒屋仙松を殺したのも
清五郎に赦免状と引き換えに紋次郎を殺すよう依頼したのも
全て左文治の計画だったことに気付く
だけど気の毒なのは死んだお夕さん

ところがお夕は生きていて
しかも左文治との子どもを抱いて立っていました
彼らは不正を憎み弱者に寄り添おうとする
紋次郎の優しさにつけこみ利用しただけなのです
左文治が刀を抜こうとしたのより早く、紋次郎は左文治の胸に刀を突き立てます
(ナイスな瞬間で泣く赤ちゃんの名演技 笑)
お夕は左文治が死んだらすがる身内もいないと泣きますが
「甘ったれんじゃございませんよ」
「赦免花は散ったんでござんす 」
「あっしには関わり合いのねえことでございやす」 と
三宅島で死んだお夕が残した髪の毛の束を捨てると
その場を去って行ったのでした
【解説】映画.COMより
色あせた紺の合羽に三度笠、長い楊枝に左ほおの優。股旅小説に新風を吹きこみ、テレビ化し話題となった、笹沢左保原作の映画化。脚本は「日本悪人伝 地獄の道づれ」の山田隆之、監督は、脚本も執筆している「現代やくざ 血桜三兄弟」の中島貞夫・撮影は「純子引退記念映画 関東緋桜一家」のわし尾元也がそれぞれ担当。
1972年製作/91分/日本
配給:東映