侍タイムスリッパー(2024)

監督・脚本の安田淳一が10人ほどのスタッフと共に

撮影・照明・編集を担当した自主映画

製作費は約2,600万円で

監督の預金1500万円と、文化庁補助金600万円

スポーツカーを400万円で売り

通帳には6,275円しか残らなかったそうです(笑)

それが第67回ブルーリボン賞作品賞

48日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作という快挙

日本映画業界もまだまだ捨てたもんじゃない

ちゃんと審査できる人が中にはいるんですね(笑)

それくらい面白かったです

ストーリーそのものは単純で

幕末の会津藩士が、倒幕派の侍と戦っている最中落雷に遭い

2007年の東映京都撮影所にタイムスリップ

そこでエキストラと勘違いされ、やがて斬られ役として人気となり

ついには時代劇映画の主役の敵役に抜擢

なんとその主役俳優は、彼が倒そうとしていた倒幕派の侍

彼もまた30年前の東映京都撮影所にタイムスリップしていたのです

役所広司さんが侍役でタイムスリップする宝くじCMのアイディアに

伝説の斬られ役、福本清三さんの姿が結びつき脚本を書いたということ

その福本さんとの縁もあり脚本に感銘を受けた東映京都撮影所

(殺陣師役に福本さんを予定していたものの21年にご逝去)

「おもしろいから、是非やりたい」と全面協力

なので低予算とはいえB級感はほとんどありません

本当に映画製作の裏側を見ている感じ

ところどころに深作欣二の「蒲田行進曲」のテイストあり(笑)

殺陣師に弟子入りを志願して「落ちる滑るって言っちゃいけない」と

男はつらいよ」に出てくるようなベタなギャグ

撮影所の楽屋にはなぜか伊丹十三作品の古いVHS(DVDでない 笑)

ラストの決闘シーンは「椿三十郎」の三船敏郎

仲代達矢名決闘シーンに劣らない迫力 これでもかと映画愛がビシバシ伝わってくる

主人公がショートケーキを食べて「これが普通の人でも食べれるとは」

本当に良い世の中になった、と泣く

会津藩の悲惨な結末を知り泣くのは

今の平和を実感できる感動的なシーン

映画は無事撮影終了し

助監督さんといい感じになるのかなと思ったら、そうでもない(笑)

最後の最後にはおデブの侍がやってくるという

伏線回収まで見事

映画は面白ければヒットする、映画館にも行く

そういうことですね



【解説】映画.COMより

幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。テレビドラマ「剣客商売」シリーズなど数々の時代劇に出演してきた山口馬木也が主演を務め、冨家ノリマサ、沙倉ゆうのが共演。「ごはん」「拳銃と目玉焼」の安田淳一が監督・脚本を手がけ、自主制作作品でありながら東映京都撮影所の特別協力によって完成させた。
2024年8月17日に池袋シネマ・ロサの一館のみで封切られ(8月30日からは川崎チネチッタでシーンを追加した「デラックス版」が上映スタート)、口コミで話題が広まったことから同年9月13日からはギャガが共同配給につき、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷ほか全国100館以上で順次拡大公開。インディペンデント映画として異例の大ヒットを記録したうえ、第48回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を受賞する快挙となった。

2024年製作/131分/G/日本
配給:ギャガ、未来映画社