原題は「Viva Maria!」(マリア万歳!)
これは最近見た映画で(といっても5年前だった 笑)
私にとってはまだ記憶に新しい映画
彼のミューズでもあるジャンヌ・モローと
ブリジット・バルドーの2大女優をW共演させ
アクションあり、ユーモアあり、色気あり
歌って、踊って、革命達成の
マカロニウエスタン顔負けの痛快娯楽映画を作っちゃったという
政治家と聖職者がグルになって権力を握り悪政を働き
(反カトリックという理由でかなり批判もされたそう)
女性が政治に目覚め、革命運動のリーダーになっていく・・というものですが
説教臭さは一切なくやりたい放題(笑)
カメラはかの、アンリ・ドカエ
音楽はかの、かの、ジョルジュ・ドルリュー
脚本はかの、かの、かの、ジャン=クロード・カリエールというのがまた驚きよね
このおバカ映画に(褒めています)凄すぎる
刑務所生まれのマリー(BB)は幼いころから
IRAの父親と共に破壊活動をつづけていましたが
父親に死なれ官憲に追われるうち、お腹を空かせ
たまたま通りがかった旅芸人の一座に迷い込みます
相棒が男にフラれ自殺してしまった一座の花形スター、マリア(モロー)は
(死んだ相棒の目を閉じるついでに、つけまつげをネコババするモローが最高)
代わりにマリーを仲間に引き入れ「マリア&マリア」として舞台に立つと大人気
やがて中南米のある町にたどり着くと、革命軍の男たちが熱心やってきて
モローマリアはそのなかのひとり、死刑囚フロレス(ジョージ・ハミルトン)に
本気で恋をしてしまいます
一方のBBマリアはアナーキストの血が騒ぎ出し憲兵に銃をぶっ放してしまう
おかげで一座も革命軍と一緒に牢屋に閉じ込められることに
独裁者ロドリゲスに呼び出された「マリア&マリア」ですが
ロドリゲスを催眠術?で幻惑させ(笑)
BBマリアはそこでも機関銃をバリバリやって、まんまと脱出
そこで処刑されたフロレスが
モローマリアに「戦いをつづけてくれ」と言い残して死んでしまいます
革命に目覚めたモローマリアはシェイクスピアよろしく、農民たちを躍起
モローの女優魂に(いきなり超絶美人に見える不思議←BBより6歳年上)
川を泳ぎ、崖を登って、ターザンのようなBBの身体能力(笑)
一方のロドリゲス軍は大砲までもち出して猛反撃
しかし「マリア&マリア」の前に敢え無く屈し
こうなるとカトリック教会も黙っていられない
「マリア&マリア」を捕え、異端審問所で拷問しようとしますが
マシンが古すぎて使えないという(笑)
革命軍に助け出された「マリア&マリア」は
花吹雪と歓呼の中、民衆に別れを告げ旅立って行ったのでした
「私生活」で「お前は男だ」と言われていたBBですが
本作でのBBとモローは、メキシコでの約16週間の撮影で
「軍隊の仲間」 のようだと言われたそうです
素顔もかっこいいですね(不意打ちでこのビジュアルかよ 笑)
【座談】映画の友1967年2月号より
淀川氏
「ビバ!マリア」好きですねぇ。ルイ・マル、女というものを、こんなに出せる人はいないですね。フィナーレに踊るでしょう。花が降ってくるでしょう。美ですね。ふつうの美じゃない、徹底した美ですね。そして、そういうものばかりじゃなくて、ドラマも非常に上手にできています。
荻氏
感心したのは、あの二人を使いながら、監督の映画に仕上げたということ。二人のパーソナリティを生かしながら、最後まで乱れなかったことですね。
1966年 淀川長治氏テン 1966年 荻昌弘氏テン
1.マドモアゼル 1.大地のうた
2.大地のうた 2.幸福
3.魂のジュリエッタ 3.奇跡の丘
4.市民ケーン 4.市民ケーン
5.ビバ!マリア 5.戦争と平和
6.小間使いの日記 6.マドモアゼル
7.幸福 7.パリは燃えているか
8.テキサスの五人の仲間 8.小間使いの日記
9.オセロ 9.ドクトル・ジバゴ
10.ミクロの決死圏 10.ミクロの決死圏