原題「Doctor Sleep」
「シャイニング」の40年後を描いた続編
キューブリック版「シャイニング」(1980)は
原作者のスティーヴン・キングが
「嫌いだと記憶している唯一の自分の脚色作品」と
お気に召さなかったことで有名（笑）
本作でも「キューブリック版のオーバールックホテルを復活させる」という
マイク・フラナガン監督の提案を拒否したそうですが
脚本を読み終えたキングは
「キューブリック版で気に入らなかった点はすべてここで補われている」
と語ったそうです
私も「シャイニング」とは何者かを
この作品を見たことによって、やっと理解できたような気がします
物語は大きく2部構成で
前半は、死後も幻となってダンの前に現われ助言してくれている
ホテルのシェフだったディック（カール・ランブリー）から
亡霊たちを「ロックボックス」 に封印する方法を教わります
しかし成人してもオーバールックホテルでの出来事に悩まされている
ダン（ダニー）・トランス（ユアン・マクレガー）は
アルコールとクスリに溺れ自堕落な生活を送っていました
ニューハンプシャー州に移ったダンは
お人好しのビリー（クリフ・カーティス）に
宿とアルコール依存症の会を紹介してもらうと
やがてホスピスの看護師として働くようになります
そこで介護猫に導かれ、臨終間近の患者を慰め不安を取り除く能力が開花
患者たちから「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになります
後半はローズ・ザ・ハット
通称「ロージー」（レベッカ・ファーガソン）率いる
シャイニング集団「トゥルー・ノット」との戦い
「トゥルー・ノット」はシャイニングの能力のある少年少女を誘拐し
その生気（サイキック・エッセンス）を吸い生きながらえています
しかもその生気は少年少女が痛みで苦しめば苦しむほど
パワーが増すというのです
「トゥルー・ノット」の行っている虐殺を
透視能力で知ってしまった「アブラ」という名の少女
彼女もまた強力なシャイニングで
ダンの存在を察知し彼にメッセージを送ります
それはオーバールックホテルで見たのと同じ
「murder」（殺人）の文字でした
一方、ロージーもアブラの強いシャイニングに気付き
仲間とともに彼女を殺し生気を奪おうと企みます
ダンはビリーと、アブラの父親デイブに協力を求め
「トゥルー・ノット」を狙撃しますが、ふたりとも殺されてしまい
アブラはロージーのパートナーのクロウに捕えられてしまう
ダンはクロウに憑りつくと彼を事故らせてアブラを救い
アブラと共にロージーを
今は廃墟となったオーバールックホテルにおびき寄せることにします
協力なシャイニングを倒す唯一の方法は、霊界に封じ込めること
それには封印した亡霊たちを蘇らせる必要がありました
かって父親が（自分を封じ込めようと）そうしたように
父親のジャックがバーテンダーのロイドに姿を変え現れる
あの時と同じ237号室、ドアに書かれた「redrum」
血の滝、グレイディ家の双子の姉妹
バスルームの腐敗した老婆
ダンに解放された亡霊たちはロージーの生気を奪い
ロージーは死にますが、ダンも憑りつかれて
斧を持ったダンはアブラを237号室に追い詰めます
アブラが亡霊たちに話しかけると
ダンは一瞬正気を取り戻しアブラをホテルの外に逃がします
それから母ウェンディに抱擁される幻覚を見ると
ダンはボイラー室に火を放つのでした
緊急車両のサイレンが近づいてくる中
アブラは燃え落ちるホテルを眺めていました
しかし時が過ぎてもアブラとダンの交信は続いていました
それは再び亡霊たちや「トゥルー・ノット」のような集団と
戦うことがあるかも知れないから
アブラの母が夕食に呼びに来ると、階段へ向かう途中の浴室には237号の文字
バスタブの老婆が微笑むと、アブラは浴室のドアを閉めます
かってダンがしたのと同じように
キューブリック版「シャイニング」の再現度が高く
続けて「シャイニング」が見たくなりますね
そして結局見ることになるのですけど（笑）
【解説】映画.COMより
スタンリー・キューブリック監督がスティーブン・キングの小説を原作に描いた傑作ホラー「シャイニング」の40年後を描いた続編。雪山のホテルでの惨劇を生き残り大人へと成長したダニーを主人公に、新たな恐怖を描く。40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、あわせて不思議な力をもった謎の少女アブラが現れる。その力で事件を目撃してしまったというアブラとともに、ダニーは事件を追うが、その中で40年前の惨劇が起きたホテルへとたどり着く。大人になったダニーを演じるのはユアン・マクレガー。監督・脚本は「オキュラス 怨霊鏡」「ソムニア 悪夢の少年」やキング原作のNetflix映画「ジェラルドのゲーム」といった作品を手がけてきたマイク・フラナガン。
2019年製作／152分／PG12／アメリカ
原題または英題：Doctor Sleep
配給：ワーナー・ブラザース映画
