砂漠でサーモン・フィッシング (2011)

原題は「Salmon Fishing in the Yemen」(イエメンで鮭釣りを)

監督はラッセ・ハルストレム

脚本は「フル・モンティ」「スラムドッグ$ミリオネア」のサイモン・ボーファイ

主演はユアン・マクレガー×エミリー・ブラント

これは面白くないわけがない!と思ったのですが(笑)

ちょっとがっかり系

イエメンの釣り好きで大金持ちの王族シャイフから

砂漠に川を作ってサーモン・フィッシングをしたいと

シャイフの仲介人であるコンサルタント会社のハリエットから

英国環境省の水産学者ジョーンズ博士に依頼が入ります

ジョーンズ博士は砂漠には水がない、餌がない

気温が高くて魚が住める環境じゃない

無理無理無理と全否定して断るわけですが

 

イギリスとアフガニスタンの戦況が悪化する中

首相の広報官パトリシアは与党のイメージアップのため

中東との良い関係をアピールしようと

鮭プロジェクトにGOを出します

最初は無謀な計画と思っていたプロジェクトですが

イエメンの西部山地は降水量が多く気温が低い

ダムも完成予定だというのです

しかも富豪のお遊びかと考えていたジョーンズでしたが

実は砂漠の緑化が目的

シャイフは国民の生活を農業で支えたいと考えていたのです

(シャイフ様がめっちゃかっこいい 笑)

心を打たれたジョーンズは断然やる気になります

しかし妻がスイスに転勤、別居することになり

ハリエットは軍人の恋人ロバートが戦地で行方不明、仕事に身が入らない

さらに砂漠に水を引くのは神への冒涜だと反対派の武装勢力が現れ

1万匹の鮭をイエメンに輸出することにイギリスの釣り愛好家が猛反対

それでもダムは完成、鮭は養殖で代行

1万匹の鮭がイエメンの砂漠の川に放たれるのでした

実際には生態系への影響とか

もっといろいろな問題があるのでしょうが

ここまでは、まあよかった(笑)

夢のある話ですしね

ここからが人間の生態系の問題(笑)

ジョーンズは傷心のハリエットを慰め、プロジェクトも成功に近づいてくると

お互い惹かれあっていくんですね、そこにロバートが生還してくる

ロバートが生きていたのは嬉しいけど、なんだかがっかり

そっちのほうの話にいっちゃうの?ですよ

(ロバートの安否がわからずあんなに泣いていたくせに! 笑)

ジョーンズだってお互い単身赴任とはいえ妻と離婚したわけじゃない

さらに反対派の武装勢力によりダムが破壊され

川は氾濫し鮭も壊滅

ハリエットはロバートと帰国することにします

ハリエットがジョーンズに別れを告げに行くと

水たまりになった池から1匹の鮭が飛び跳ねたのです

まだプロジェクトは終わりじゃない

ハリエットはジョーンズとイエメンに残る決意をし

(ひとり寂しく帰国するロバート)

本国のパトリシアは環境省ではなく

今度は漁業省に鮭を用意させようとしていました

原作ありきなのでしょうがないですが

環境モノなのか恋愛モノなのか中途半端だし

お互いパートナーがいる同士が結ばれるのは

(悪いことだとは思わないが)やはり感動しきれない

どうせなら、サエない釣りヲタクの水産学者と

バリキャリの性悪女がお互い良い方向へ変わっていく

みたいなほうがすっきりします

 

やっぱハルストレムは魚じゃない(笑)

ワンコじゃないとだめだった



【解説】映画.COMより

英国で一大ブームを巻き起こしたポール・トーディの小説「イエメンで鮭釣りを」を、「スラムドッグ$ミリオネア」のサイモン・ビューフォイ脚本、「ギルバート・グレイプ」のラッセ・ハルストレム監督で映画化。無謀な国家プロジェクトに巻き込まれた主人公の学者が奔走する姿や、プロジェクトにかかわる人間たちの恋や友情をユーモラスに描く。英国の水産学者ジョーンズ博士のもとに、砂漠の国イエメンの大富豪から、鮭釣りがしたいのでイエメンに鮭を泳がせてほしいという依頼をもちこまれる。そんなことは不可能と一蹴したジョーンズだったが、中東との緊張緩和のためにと外務省が支援を決め、首相まで巻き込んだ荒唐無稽な国家プロジェクトに展開してしまう。ジョーンズ博士役にユアン・マクレガー。共演にエミリー・ブラントクリスティン・スコット・トーマスら。

2011年製作/108分/G/イギリス
原題:Salmon Fishing in the Yemen
配給:ギャガ