レスキュードッグ・ルビー(2022)

原題はRescued by Ruby (ルビーに救われた)

K-9捜索救助チームに憧れる警察官と

警察犬になるため訓練される保護犬の

ハートフルストーリー

 

テレビ映画的な90分の小品ですが

わかりやすい、見やすい

しかも実話ベースだというのです

犬を飼っている人なら愛犬を抱きしめてしまうでしょうし

犬好きなら泣いてしまうかも知れません

ロードアイランド州の警察官ダニエル、通称ダンは

州警察K-9捜索救助隊の隊員になることが夢

でも彼は30回も試験に落ち、採用条件は30歳未満

次の試験が最後のチャンスでした

 

署からは高額なジャーマンシェパード(警察犬に向いている)を

買う予算はないと断られ、訓練する犬さえいません

自分で買うにも妻が2人目の子どもを妊娠しお金の余裕がない

ダンが向かったのはシェルター(保健所)でした

落ち着きがなく、激しく動き回り、何人もの里親から返却

殺処分寸前だったハーフボーダーコリーのルビーを引き取ります

でもルビーはトイレさえ上手にできない

躾のために通わせた犬専門のトレーナーにまで匙を投げられてしまいます

 

妻のケイラはルビーに手を焼いているダンに

「あなたと似ている」と言います

ダンは失読症多動症の障害があり、集中力がなく物忘れも激しい

人の何倍も努力と苦労を重ねて警察官になったんですね

そのことをケイラはよく知っている

ルビーを叱ってはだめ

時間と愛情をかけて訓練すれば、成功するはず

 

そして入学試験の日

合格者は6週間の集中訓練に参加

その後K-9捜索救助隊の入隊試験を受けることになります

 

ルビーは障害物と「待て」はなんとかうまくいったものの

食べ物の誘惑に負けないテストでザレラ軍曹がウインナーを用意したため

突然走り出し森に行き棒を咥えて戻ってきます

(ウインナーはルビーの大好物で、ダンはウインナーを使って訓練していた)

しかもその棒には蜂の巣がついていました

ルビーを止めようとしたダンは全身蜂にさされてしま

もちろん不合格、落ち込むダン

 

でも集中訓練を受けなくても

K-9の入隊試験受験できることがわかります

自宅でルビーのトレーニングを始めると

やがて同じK-9目指していた仲間や犬たちがやって来て

協力してくれるようになります

日本だといくら友だちでも、職場の同僚でも

他人の家にお邪魔するって勇気がいりますが(笑)

そういうところはオープンですよね

パーティやバーベキュー、プレゼント

一般の家庭でもゲストルームやゲスト用のタオルがある

私もアメリカやカナダに親戚の家に遊びに行ったときは

日本人以上に「おもてなし」を感じました

 

入隊試験の日(ルビーの集中力が切れる前に)

ダンは1番目にテストを受けたいと申し出ます

快く順番を譲ってくれる仲間

そこでルビーは過去最速で紛失物を探すのです

さらにザレラ軍曹のひっかけ問題にも騙されません

人間も特殊な能力や才能のある人は

どこか欠けていたり、変わっていたりするものですが

動物も同じかもしれません

 

ルビーは(たぶん)他の犬より嗅覚が鋭かったのです

情報が入り過ぎるせいで、状況が掴めず暴れてしまう

でもダンの愛情と、みんなの優しさと、地道な訓練によって

冷静に臭いを嗅ぎ分けられるようになったのです

数か月後ついにK-9デビューする日がやってきました

行方不明になった殺人事件の犠牲者の捜査に呼ばれたのです

しかしルビーが示した場所に遺体はありませんでした

ダンは落胆し、やっぱりダメ犬か

ルビーを無視してしまうのです

 

動物は飼い主の気持ちを察し、寄り添います

自分がダンを哀しませたと思ったルビーは家を出てしまいます

ルビーがいないことに気が付いたダンに

ザレラ軍曹から連絡が来て、ルビーは凄い犬だ

ルビーの示した場所の軒下を掘り起こしたら

コンクリート詰めの遺体が出てきたと言うのです

 

どうしてルビーを信じてやれなかったんだ

なんて馬鹿なんだ

ルビーを探しに行くダン

間もなくして、ハイキング中に行方不明になった少年の捜査のため

ルビーが呼ばれます

でもルビーはいない

ザレラ軍曹からも警察署からも

お前はまずルビーを捜索しろと言われてしまうダン

 

でもルビーにも行く当てはなかったんですね

家にの近くでルビーを発見

すぐさま現場に向かいます

険しい山道、激しい雨での危険な状態

そこでもルビーは迷うことなく少年を発見しました

(実際のルビーとダン)

しかも保護された少年の母親は

保健所でルビーを可愛がっていた職員だったのです

これが映画ならわかるけど(笑)事実だからすごい

 

最後にNGシーンが出てきますが、いくら賢いワンコでも

撮影は大変なんですね(笑)

ルビーを演じベアも、保健所から救われた保護犬ということ

 

そして赤ちゃん

パパと呼ぶシーンを何度やってもママと言ってしまう(笑)

これがもう、めちゃくちゃ可愛い

たぶんママが近くにいて撮影しているからなのでしょうが

間違うほど愛おしさが増しますね(笑)

 

今はCGでいくらでも加工できるのでしょうが

やはり人間も動物も、多少失敗があったほうが温もりがある

ルビーは約11に渡り警察犬として奉仕し

その間ヒーロードッグアワード授賞式で表彰され

捜索救助犬オブザイヤー部門で優勝

20225月、病気のため安楽死したそうです



最後のテロップにもありましたが

これから犬や猫を飼う予定のある人は

ペットショップの血統書付きもいいけれど

まず保護施設を覗いて欲しいと思います

 

【解説】シネマトゥデイより

警察官と保護犬の絆を描いた、実話を基にしたヒューマンドラマ。捜索救助警察犬部隊への入隊を希望する主人公が保護犬と出会い、さまざまな試練に挑んでいく。主人公の警察官をドラマシリーズ「THE FLASH/フラッシュ」などのグラント・ガスティンが演じるほか、ドラマシリーズ「サンフランシスコの空の下」などのスコット・ウルフやケイラ・ザンダーなどが出演。『キャリー2』などのカット・シアが監督を務める。

州警察で働くダニエル・オニール(グラント・ガスティン)は、捜索救助警察犬部隊への入隊を希望していた。賢くてやんちゃな保護犬のルビーと出会ったダニエルは、ルビーと共に過酷な試練を乗り越えながら強い絆を育んでいく。