世界の中心で、愛をさけぶ(2004)

大ヒットしましたね、今さらながら初見(笑)

タイトルはアメリカのニュー・ウェーブを代表する作家

ハーラン・エリスン の「世界の中心で愛を叫んだけもの

The Beast that Shouted Love at the Heart of the World

からの引用でしょう



アプローチは「君の膵臓を食べたい」(2017)とほぼ同じ

不治の病で余命僅かな女子高生とクラスメイトの男子との純愛

だけど「セカチュー」というよりは「自己チュー」に近い(笑)

台風が近づいているある日、朔太郎(サク)(大沢たかお)と
もうすぐ結婚する予定の 律子(柴咲コウ)が荷物を片付けていると
子ども時代の服のポケットからカセットテープを見つけます
何かを思い出した律子は急いで家電量販店に行きウォークマンを購入
そこには息が途絶えそうな女の子の声が録音されていました
サクが仕事から戻ると律子の姿はなく「出かけてきます」の置手紙
心配したサクが幼なじみで律子との仲人である
龍之介(リュウ)(宮藤官九郎)が経営する店を尋ねると
偶然にもテレビで台風の中継をしている高松の駅前に律子が映っていました
急いで高松に向かったサクでしたが、立ち寄った実家で
古いウォークマンとカセットテープを見つけ聞き入ってしまいます

亜紀(アキ)(長澤まさみ)は才色兼備で高校のマドンナ、アイドル

そんな彼女と初めてのスクーターふたり乗り

ラジオへの投稿(ジュリエット役が白血病になるは蛇足)

交換日記ならぬ交換テープ、無人島での一泊

白血病、闘病、婚姻届け、ウエディングドレス、記念撮影

(条件は髭爺の初恋相手の遺骨を盗むって・・お墓に手くらい合わせろ!)

叶わなかったオーストラリア旅行・・

いやいや、アンタ

婚約者を追って四国に帰ったのに、彼女そっちのけで

初恋の相手の回想にばかりふけるってどうよ(笑)

 

しかも、お互いの名前の漢字を初めて知るとかクラス名簿くらいあるでしょ

それとも四国は先生も生徒も「ひらがな」でしか呼び合わない教育制度なの(笑)

そのうえウォークマン1台買うお金もない高校生が

オーストラリアまでの旅費を(どうやって?)捻出し

白血病の少女を嵐の夜に空港に連れ出し「助けてください!」

それでも、そこまではただの「ツッコミ」として許すとしよう(笑)

幼かったころの律子は(母の通院先の)アキとサクの

カセットテープ文通”の配達係だったんですね

その最後のテープを届けに行く途中交通事故にあってしまった

なんのあてもないけど、そのテープを「サク」に届けるため高校に行く

そして雨宿りした髭爺の写真館で、若いカップルの結婚写真を見る

アキの恋人「サク」が、自分の今の婚約者

朔太郎だったことを知るのです

朔太郎に電話をする律子・・

ここからの展開がもう「ツッコミ」では許せない

「何があったんだ」とトンチンカンな返事の朔太郎

(そこは「どうしてそこに」「なぜ知っている」じゃねえか)

写真館へ律子を迎えにいくものの、すでに律子はおらず

爺にアキの死から逃げていたことを告白

(いいかげん律子のことも心配しろよ)

しかもアキの遺灰を散骨する旅に律子を誘うのか

ここはかなり引く(ハネムーンの代わりだとしたら更に最低)

それに墓を荒して盗んだ遺灰を撒くより

普通に遺品(例えば少量の髪の毛とか、ふたりの思い出の品とか)を

土に埋めるなりしたほうがよっぽど自然で感動的

成人してからの朔太郎と、律子は原作にないキャラだそうですが

実際あまり盛り込まず(律子が不憫すぎる)

若いふたりの初恋と、愛する人の死と

それを乗り越えていく大人への成長過程を

シンプルに描いたほうが良かった気がします

ちなみに主演のみなさんの好演に罪はないです(笑)




【解説】allcinema より

空前のベストセラーとなった片山恭一の同名小説を「ロックンロールミシン」「きょうのできごと」の行定勲監督で映画化した本格ラブ・ストーリー。最愛の人の死を胸の奥に抱えたまま、現在の愛に葛藤する一人の男の姿を切なく描く。主演は「解夏」の大沢たかおと「着信アリ」の柴咲コウ。共演に「ロボコン」の長澤まさみ
 結婚を控えていた朔太郎は、婚約者・律子の突然の失踪に困惑する。律子の行き先が四国と知り、彼女を追って四国へ向かう朔太郎。しかし、そこは朔太郎の故郷であり、彼の初恋の相手にして最愛の人・アキとの思い出が眠る場所でもあった。朔太郎は次第に初恋時代の思い出の中に迷い込んでいく――。高校2年の朔太郎は、アキとの甘く淡い恋に浸っていた。ウォークマンでの声の交換日記や無人島への一泊旅行…。ところが、約束されていたと思われた2人の明るい未来は、アキが不治の病であることが発覚し一転してしまう。