こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018)

しばらくブログを休止して

3年ぶりに実家のある北海道に行って参りました

だからというわけではありませんが(笑)

北海道人が主役で北海道が舞台の「こんな夜更けにバナナかよ」

レビューしたいと思います

まずタイトルがいいですね

ひと目でどういう情況かがわかる

 

原作は進行性筋ジストロフィーという難病

北海道札幌市に在住していた鹿野靖明(しかの やすあき 1959-2002

を取材した渡辺一史によるノンフィクション

こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち

1994年札幌

北大医学部の田中(三浦春馬)と付き合うことになった

教育大生(実はカフェのアルバイト)の美咲(高畑充希)は

忙しいとなかなかデートできない田中の真実を探るため

鹿野(大泉洋)の自宅を尋ねると、自らも筋ジストロフィーを患っている

鹿野の介護ボランティアに携わってしまいます

わがままで自由奔放、セクハラに言いたい放題

始めは鹿野に嫌悪感を抱いていた美咲でしたが

徐々に鹿野の人柄に惹かれていくようになるのです

 

自分の欲望を形振り構わず実現しようとする

これは美咲じゃなくてもキレますよね(笑)

でもこの鹿野という男、100回か200回に1

ものすごくイイコト言うんですよ(笑)

アメリカ行きの夢を叶えるため英会話を勉強してる

こんな俺が頑張ってるんだから、君には絶対出来る

やがて鹿野がなぜここまでボランティアに対して

(介護以外のことまで)我儘なのか、私たちも納得していきます

障害を持っている人間は

常にモチベーションをあげていないと生きていけない

自分の欲望を満たすこと(健常者なら普通にできること)こそが

生きている証しなのです

そのために誰かに助けてもらうことは恥ずかしいことではない

 

性欲についてはなるほど、と納得

(だからホーキング博士も女性にはモテていたのか 笑)

そしてフラれても決してめげない(笑)打たれ強さ

田中と美咲は架空のキャラだと思うのですが

ラストにかけて彼らのハッピーエンドという美談として

うまくまとめはしたものの

障害者と健常者の対等な人間関係というテーマから

ずれてしまったのは残念

 

30年経った今でも、障害者は可哀そうな人

もっと酷くいえば迷惑な人

実際の鹿野本人が本当に目指したものが見えにくくなってしまった

それでもノーマライゼーションを知る

障害者や高齢者特別視せず同様の生活が出来るよう支援すること)

きっかけとしていい作品ですし

ローカル時代の大泉洋さんを知るどさんこにとっては

心地いい北海道弁を聞くことができました

 

【解説】映画.COMより

筋ジストロフィーにかかりながらも自らの夢や欲に素直に生き、皆に愛され続けた実在の人物・鹿野靖明さんと、彼を支えながらともに生きたボランティアの人々や家族の姿を描いた人間ドラマ。大宅壮一ノンフィクション賞講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した書籍を原作に、「ブタがいた教室」の前田哲監督がメガホンをとり、大泉洋が主演を務めた。北海道の医学生・田中はボランティアとして、身体が不自由な鹿野と知り合う。筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィー12歳の時に発症した鹿野は、いつも王様のようなワガママぶりで周囲を振り回してばかりいたが、どこか憎めない愛される存在だった。ある日、新人ボランティアの美咲に恋心を抱いた鹿野は、ラブレターの代筆を田中に依頼する。しかし、実は美咲は田中と付き合っていて……。医学生・田中を三浦春馬、彼の恋人・美咲を高畑充希がそれぞれ演じる。