tick, tick... BOOM!チック、チック...ブーン! (2021)

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原題も「Tick, Tick...Boom」(チクタク...ドーン!

ブロードウェイの人気ミュージカル「レント」の作曲者

ジョナサン・ラーソンが、自作自演の曲と歌詞にあわせた

漫談のような舞台「Tick,Tick…BOOM!」を完成させるまでのお話

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スティーブ・ジョブズマーク・ザッカーバーグもそうですが

こういう若い頃から才能を開花させた天才って

人を傷つけることでも天才だと思うんですよ

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凡人が馬鹿に見えてしょうがないのでしょう

彼らにとって、お金儲けや恋愛(思いやり)の優先順位は低い

自分しかできないことを「成し遂げる」ことのほうが重要

人間関係はストレスとなり、無意識に相手の欠点を攻撃してしまう

そうして恋人や友人たちが去ってしまうと

今度はどうしようもない後悔に苦しめられる

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こういう苦痛と孤独が、創作や発見に繋がるのかも知れないし

結果として成功し、多くの人々に恩恵を与える場合もあるけれど

私的にはあまり好きになれない人間の種類

年齢とともに、穏やかにはなっていくのでしょうけど

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安アパートに住むもうすぐ30歳のジョナサン(アンドリュー・ガーフィールド)は

自作ミュージカルを上演するため、エージェントによる

スポンサーを獲得するためのプレミアを間近に控えていました

しかし思ったように曲が書けない

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そんなときに限って

結婚をちらつかせる恋人のスーザン(アレクサンドラ・シップ)

夢を諦めビジネスマンに転向し、高級マンションに住む親友マイケルは

金のないジョナサンを心配し、高収入のバイトを紹介してくれます

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だけどジョナサンは、恋人が会話の時間をもとうとしても

「あとで」「今は無理」と避けてしまう

親友が紹介してくれた仕事は滅茶苦茶にしてしまう

相手の立場なんて何も考えない、自分の曲作りのことだけ

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その結果、スーザンは去ってしまい

家賃の支払いは停滞し、電気は止められ作曲中のパソコンが使えなくなる

チクショー、チクショー、チクショー

自分が悪い、自分が悪い、自分が悪い

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スーザンを諦めきれないジョナサンは、彼女をプレミアに招待し

彼女やマイケルへの思いを綴った曲を披露するんですね

マイケルは自分の愚行を許してくれたけれど

スーザンは最後まで会場に姿を現わすことはありませんでした

 

そのかわりジョナサンがこよなく尊敬するミュージカル界の大御所

スティーヴン・ソンドハイムが来てくれたのです

留守番電話に彼からの「素晴らしい」という伝言メッセージ

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そして小さな舞台「Tick,Tick…BOOM!」の公開が決定し

バイト先で祝賀会が開かれます

するとダイナーの外にはスーザンの姿があり

ジョナサンにお祝いのプレゼントの楽譜を渡し

「さらなる次回作の成功を祈って」と立ち去るのでした

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プレミアが決まって上演されるまでの、1~2週間程度の出来事を

まるで長年にわたる物語のように見せているのはうまい

(クロスカッティング効果)

ただマイケルとの幼い頃からの回想シーンはやや長く

これじゃあまるで、ディズニーアニメ(笑)

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とにかくこの作品は、主人公たちと同じ年代の方に見てほしいですね

30歳を節目にした仕事や結婚への焦り、友人たちとの関係の変化

私とは違い(笑)

共感できるものを、たくさん発見できるような気がします

 

 

【解説】allcinema より

大ヒット・ミュージカル「レント」で知られる作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを「ハミルトン」「イン・ザ・ハイツ」のリン=マヌエル・ミランダが初監督に挑戦してミュージカル映画化したNetflix作品。名もなき若き青年作曲家が、成功を信じながらも時間ばかりが過ぎていく現状に焦りを募らせていく創作の日々を、恋と友情の葛藤を織り交ぜ描き出していく。主演は「アメイジングスパイダーマン」「ハクソー・リッジ」のアンドリュー・ガーフィールド。共演にアレクサンドラ・シップ、ロビン・デ・ヘスス、ヴァネッサ・ハジェンズNetflixでの配信に先立ち、一部劇場でも上映。