家族はつらいよ(2016)

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山田洋次、久々のコメディ

橋爪功の毒爺が最低で最高(笑)

クレジット・タイトルがいつもになくカラフル

 

戦後生まれで、高度経済成長の波に乗って

働き盛りはバブル、年金までたっぷりもらえるという最高の年代

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ほとんどのサラリーマンの妻は専業主婦で

家のことは妻にまかせっぱなし、子どもの面倒は見ない

不満を言おうとしても、夫は毎日残業と飲み会で帰ってくるのは遅く

妻の愚痴を聞く耳なんてもっていません

それが当然、あたりまえ

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その夫が結婚45年目の妻の誕生日に

妻から離婚届を突き付けられてしまう

一番慌てたのは3人の子どもたちでした

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妻が夫に我慢できなくても離婚しないのはなぜか

1、経済的な問題

2、住む場所

3、子どものため

 

それが田園調布に住むサークル仲間から家をシェアしないかと言われ

小説家だった死んだ弟の印税が、毎月口座に振り込まれることになり

子どもたちもすでに成長

夫のズボラな性格にも我儘にも(実は靴下は裏返しで洗うのが正しい洗い方)

我慢する理由がなくなったのです

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夫といることが「ストレスなの」

せめてこの先の人生はひとりで自由に生きていきたい

わかるわあ(笑)

 

こんな時、ヨワイのは男性のほう(笑)

末の息子が婚約者を紹介するため連れてきた日

偶然にも家族会議と重なり、毒爺倒れて救急車で運ばれてしまいます

(飲み屋の女将を口説いて手を握るのは、浮気じゃないと思う 笑)

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その時孫(弟)から、困惑する婆にナイスなタイミングで入る電話

野球の試合で兄がピンチヒッターに入りホームランを打ったと実況中継

一方の嫁は出前で頼んだ7人前の「うな重」の支払いに

思わず渋い顔になり「うわっ」と叫んでしまう

この温度差が絶妙(笑)

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毒爺はたいしたことなく数日で退院

それでも一瞬でも天国を感じたせいか(笑)

婆の「離婚してほしい」という希望を叶える決意をします

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いかにも男だけが働いている、食わしてやっている、というような

極めて時代遅れな70オーバー男のペーソスのように見えますが

 

実はこれテーマは、思いや感謝は「言葉で伝える」こと

「女性には敬意を払う」という女性的願望もの

共同脚本と助監督は山田組平松恵美子

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いくら喧嘩しても不満があっても、結局は長年暮らした家と家族が一番おちつく

一応最後は山田洋次らしく丸く収まって?(笑)

よかったのではないでしょうか

 

 

【解説】allcinema より

「小さいおうち」「母と暮せば」の名匠・山田洋次監督が、橋爪功吉行和子はじめ「東京家族」のキャストを再結集し、「男はつらいよ」シリーズ以来久々に撮り上げた喜劇作品。三世代が同居する一見平和な平田家を舞台に、ある日突然降って湧いた祖父母夫婦の離婚騒動を皮切りに、それぞれの家族の間に内在していた様々な問題が次々とあぶり出され大騒動に発展していくさまをコミカルに綴る。
 東京の郊外に暮らす三世代同居の平田一家。当主の周造は仕事も引退し、今はゴルフと酒に明け暮れ隠居生活を謳歌する日々。当然、妻・富子の気持ちなど知る由もない。周造に似て頑固な長男・幸之助は仕事一筋。2人の子どもと家の中のことは専ら妻の史枝に任せきり。家を出て税理士としてバリバリ働く気の強い長女・成子は、夫・泰蔵との喧嘩が絶えない。一方、独身でいまだ実家暮らしの次男・庄太は、看護師の恋人・憲子との結婚をついに決断しようとしていた。そんなある日、いきなり富子が周造に離婚を突きつけた。思いも寄らぬ妻の離婚宣言に周造はオタオタするばかり。子どもたちにとっても青天の霹靂で、どうにか離婚を思い止まらせようと緊急の家族会議が開かれるのだったが